2020年11月
11月29日の1曲
卓田のひとこと
UAはこの曲で初のオリコントプ100入り…と言っても99位に1週ランクインしただけでしたが、個人的には非常に印象的な曲でした。その大きな理由のひとつが、この曲の作曲・プロデュースを手掛けたのが、日本のストリートシーンを牽引してきた知る人ぞ知る、藤原ヒロシさんであるということ。藤原さんは、私がDJを始めた大学時代の1980年代後半にDJとしてクラブシーンで活躍していて、まだマイナーだったヒップホップやハウスを広めたり、昔のソウルやファンクの隠れた名曲を発掘する、いわゆるレア・グルーヴという音楽などを日本に広めたり、日本人で初めてスクラッチという技を披露したり、当時アンダーグラウンドの世界ではカリスマ的存在でした。それまでトーク中心のラジオ系DJをやっていた私は、彼らの影響で、クラブDJの世界にも興味を持つようになり、バイト代を貯めてターンテーブル2台とDJミキサーを買い、西麻布のクラブで行われたDJコンテストに友人とコンビを組んで出場した思い出もあります。その藤原さんがプロデュースを手掛けたのがUA。…ということで、個人的に印象的な1曲となっています。
11月22日の1曲
卓田のひとこと
村下孝蔵さんと言えば「初恋」「踊り子」などがあげられますが、他にももっとたくさんの人に知ってほしい曲があります。この曲もその一つ。大きなヒットにはなりませんでしたが、この曲を自分の作品の中で一番気に入っていたそうです。1999年に46歳の若さで亡くなった村下さんの葬儀では奥様の希望で出棺の際にこの曲が流されたそうです。私がこの曲に思い入れがある理由は「ロマンスカー」というタイトル。青山学院大学 厚木キャンパスに通っていた当時、利用していたのが小田急線。その小田急線の花形列車が、新宿と箱根間を走る特急の「ロマンスカー」。普段通学で乗っていた列車とは違い、カッコいい流線型の赤い車両。「走る喫茶室」と呼ばれ、私も憧れていました。一度だけ奮発して、本厚木から新宿まで乗りましたが、 疲れていて殆ど寝ていたという残念な思い出が…。
11月15日の1曲
「秋の一日(アルバムver.)」下成佐登子(1981年 アルバム「秋の一日」から)
卓田のひとこと
下成佐登子さんと聞いて、アニメ好きの方は「小公女セーラ」ヤ「トランスフォーマー」等のアニソンシンガーとして認識している方も多いかもしれませんが元々はシンガーソングライター。私がラジオの深夜放送を聴き始めた中学1年の頃(1978年)、「コッキーポップ」という深夜の音楽番組でよく流れていました。ラジオから流れてくる下成さんの透明感のある歌声に、なにかスーッと目が覚めるようなさわやかな感覚になったのを覚えています。今回はシングルバージョンではなく、1981年11月にリリースされたファーストアルバム「秋の一日」に収録されているバージョンをお聞きいただきましたが、ストレートな歌い方のシングルバージョンに比べ、3年経って少し大人になり驚くほど表現力が増しているのがわかります。機会があれば、是非聴き比べてみてください。