11月7日放送 
「映画「天のしずく 辰巳芳子 ”いのちのスープ”」
監督・脚本 河邑厚徳さん」

河邑厚徳さん

映画「天のしずく 辰巳芳子 ”いのちのスープ”」監督・脚本 
河邑厚徳(かわむら・あつのり)さんをお迎えしました。

日本の食に提言を続ける料理家・辰巳芳子(たつみ・よしこ)さん。
彼女が病床の父のために工夫を凝らして作り続けたスープは、
やがて人々を癒す「いのちのスープ」と呼ばれるようになり多くの人々が
深い関心を寄せている。
いのちの始まりに母乳があり、終わりに唇をしめらす末期の水がある。
人の命は絶えることのない水の流れに寄り添って健やかに流れる。
映画で描かれる、辰巳芳子さんのスープにも長い物語がある。
調理以前は、海・田畑など日本の風土が生み出す生産の現場。
調理後にはスープを口にする家庭や施設、病院など多様な人の絆が見えてくる。
脳梗塞で倒れ、嚥下障害(えんげしょうがい)により食べる楽しみを奪われた父。
その最後の日々を、母と娘が工夫した様々なスープが支えた。
それがいのちのスープの原点だった。
映画では、スープを作り出す食材を作り出す全国の生産者。
彼らは作物への誠実な志を持ち、
辰巳さんに食材を提供する。旬の作物を育てる繊細で美しい自然風土。
そしてそれぞれの素材が性質を生かし、喜ぶように丁寧に調理する辰巳芳子さん。
幼児から老人まで、スープを口にする人々の姿。
それぞれが交響曲のように、いのちの響きを奏でていく。
ここで描かれるスープの物語は、
辰巳芳子さんが唱える、食を通して見えてくる「いのちと愛」への道筋を示してくれます。

●映画「天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”」
 札幌シネマフロンティアとシネマ太陽帯広で公開中。


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