ニュース

Official Account

懲役25年求刑「どんな判決でも覚悟はできています」当時19歳の女の被告…絶望の中「ただ生きていて」と願った遺族は極刑を望む 判決は7日予定【旭川女子高生殺人】

2025年03月05日(水) 15時43分 更新

女子高校生(当時17)が落とされ殺害された神居大橋(2024年6月 北海道旭川市)
女子高校生(当時17)が落とされ殺害された神居大橋(2024年6月 北海道旭川市)

 北海道旭川市で、女子高校生を橋から転落させ殺害した罪に問われている当時19歳の女の被告の裁判員裁判で、検察は懲役25年を求刑し結審しました。最後に、証言台に立った被告は、「自分のしたことが軽くなると願って話したわけではありません。どんな判決でも覚悟はできています」と涙ながらに話しました。

起訴状などによりますと、旭川市の無職の当時19歳だった被告は、2024年4月、内田梨瑚被告(22)と共謀して、女子高校生を車で連れ去り、旭川郊外の橋から転落させて殺害した罪などに問われています。

内田梨瑚被告(22)
2月27日の初公判で、当時19歳の被告は起訴内容を認めましたが、弁護側は「大半は内田被告からの指示だった」として情状酌量を求めていました。

5日午前10時半から開かれた裁判で、検察は「犯行は、被害者の人格の尊厳を踏みにじるもので、内田被告と同程度の必要不可欠な役割を果たした」と指摘し、当時19歳の被告に対して懲役25年を求刑しました。

5日の法廷(旭川地裁)
検察は当時19歳だった被告に対し、懲役25年を求刑(5日 旭川地裁)
また、被害者家族の代理人からは、量刑に対する意見が述べられ、当時19歳の被告はうつむきながらきいていました。

■被害者家族の代理人による量刑に対する意見

検察が述べたとおり、本件犯行態様が残忍で悪質、動機に酌むべき事情はない。

当時17歳の高校生の被害者が被告人から度重なる暴行を受け、約5℃という寒冷な状況で、全裸にさせられ橋から落とされ死亡するという、極めて残忍酷薄で最悪な被害結果が生じた。

親族は、被害者が帰宅せず絶望に押しつぶされそうになりながら、「帰ってきてほしい」と願いながら捜索を続けた。

絶望の状況の中、「ただ生きていてほしい」と願った。

しかし、被害者は身体が損傷した状態で発見され、親族は顔も見ることも肌に触れることもできなかった。

当時19歳の被告人が早期に通報していれば、顔を見ることも肌に触れることもできたかもしれない。

被告人は、1日の大半を勉強に費やしているとのことだが、逮捕されてから10か月間、十分に考える時間はあるにもかかわらず、どのような行動が償いになるか具体的行為は示されていない。

被害者は子どもが大好きで、保育士を夢見て、事件翌日も友達と札幌の専門学校のオープンキャンパスに行く約束をしていた。

保育士になるのが夢だった被害者の命を絶たれたのも事実。

被害者の父母は、被害者のいない生活を受け入れられていない。

被告人が、被害者遺族の心情を把握しているのか、公判では、手紙や謝罪の言葉もあったが、到底受け入れられない。

被告人も若年だが、さらに若い命が奪われた。

被告人に対し同じ思いをさせたい、極刑を望むことは、父母としてやむを得ない。

遺族の心情を十分に考慮し、可能な限り、厳しい刑罰を求める。

■当時19歳の被告は涙ながらに…「私に下された刑に従います。どんな判決でも覚悟はできています」

最後に証言台に立った当時19歳の被告。

裁判長をまっすぐに見つめ、涙ながらにこう語りました。

被告は涙ながらに…「どんな判決でも覚悟はできています」
当時19歳の被告(20)
「この法廷では、あの日起きた本当の真実を話しただけで、自分のしたことが軽くなると願って話したわけではありません。私は私に下された刑に従います。どんな判決でも覚悟はできています」

裁判は、5日結審し、判決は、あさって7日に言い渡されます。

5日結審し、あさって7日に判決予定

北海道ニュース24