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“不審電話”切らずに交番へ駆け込んだのに…対応した20代巡査長“正当な請求”と誤認、詐欺を見抜けず70代男性130万円被害 北海道警察「警察官が気づけず心よりお詫び」

2025年02月21日(金) 18時13分 更新

架空請求詐欺事件として捜査している釧路警察署
架空請求詐欺事件として捜査している釧路警察署

2月6日から9日かけて、北海道釧路市内に住む70代の男性が、架空請求で130万円をだまし取られました。男性は交番に相談していましたが対応した警察官が詐欺と見抜けず、被害を防ぐことができませんでした。

警察によりますと、6日、釧路市内に住む70代の男性のもとに、通信事業会社の社員を名乗る男から「有料サイトの未納料金があり裁判になる」「何度も請求しているが払ってもらっていない」「裁判中止費用がかかる」などと電話がありました。

不審に思った男性は、電話を切らずに近くの交番に駆け込み、警察官に相談。

この時、20代の巡査長が電話の相手と直接会話しましたが、巡査長は正当な料金請求であると誤認し、男性に「電話の相手と話し合ってください」と話し、そのまま帰したということです。

男性は、その日の夜、釧路市内のスーパーマーケットのATM(現金自動預払機)から指定された口座に30万円を振り込みました。

すると翌7日にも、内閣府の個人情報保護委員会を名乗る男から、男性のもとに「あなたのスマートフォンがウイルスに感染している」「ウイルス除去には費用がかかる」「あなたが無実だとわかれば返金する」などと電話があり、信じた男性は50万円を振り込みました。

さらに、サイバーセキュリティセンターの職員を名乗る男からも電話があり、「あなたのランサムウイルスで92人の被害者がいる」「保証金が必要」などと言われ、50万円を指定口座に振り込み、男性は合計130万円をだましとられました。

男性は、電話の相手から「守秘義務があり、親族でも話せば損害賠償がかかる」「2月17日に返金される」など言われていたということです。

しかし17日になっても返金がなかったことから男性は同居する家族に相談し、警察に被害届を出しました。

最初に交番で対応した巡査長は、40代の巡査部長に相談内容や対応について報告していましたが、巡査部長も詐欺だと見抜けなかったということです。

北海道警察本部
道警生活安全企画課「警察官が詐欺に気づけず、心よりお詫び」
北海道警察本部生活安全企画課は「警察官が詐欺に気づけず被害を発生させてしまい、被害に遭われた方に心よりお詫び申し上げます。職員への指導を徹底してまいります」とコメントしています。

なお警察は、身に覚えのない未納料金などを要求された場合は、詐欺の可能性が高いとして、すぐに振り込まずに警察に相談するよう呼びかけています。

北海道ニュース24