野生アザラシ9頭を無許可で飼育し7頭が死んでいた…『ノースサファリサッポロ』札幌市が確認した違法建築物は156施設 運営会社は今週“撤去”計画書を提出か
2025年02月17日(月) 17時24分 更新
札幌市南区の『ノースサファリサッポロ』が無許可で動物園の施設を建築し、20年近く営業を続けている問題。
運営会社は今週にも、施設の撤去に向けた“計画書”を札幌市に提出する意向ですが、ここにきて、動物園をめぐる別の問題も明らかになっています。
伊藤凛記者
「入り口を入っていき、あちら側が、動物たちが飼育されているエリアです。大小さまざまな建物がありまして、増改築が行われてきたことが確認できます」
原則、建物が建築できない市街化調整区域に、無許可で施設の建築を繰り返してきた『ノースサファリサッポロ』。
札幌市は、確認した156の違法建築物について、すべて早期に撤去するよう求めていますが、運営会社はこれまで、これに応じていません。
15日の『ノースサファリサッポロ』です。いつもの週末と変わらず、多くの観光客らで賑わってました。
東京から来た男性客
「やっぱり行ってみて、すごい楽しかったので、無くなっちゃうと、すごい悲しい」
東京からの女性客
「次も来たいので、改善して、また来られるようになったら、うれしいなと思います」
一方で、変わったことも…。
伊藤凛記者
「国道沿いに設置されていた看板は撤去され、代わりに、手持ちの看板が登場しました」
国道沿いに、違法に設置された5か所の案内看板は撤去され、代わりに看板を持ったスタッフが配置されていました。
『ノースサファリサッポロ』をめぐっては、違法建築のほかにも、様々な問題が浮かび上がっています。
2020年には、野生のアザラシを5年間、無許可で飼育していたことが明らかになりました。
当時、札幌市が立ち入り調査を行ったところ5年間で、無許可で飼育していた野生のアザラシ9頭のうち、7頭が死んでいたことも判明しました。
さらに、同じ2020年に運営会社が、中小企業庁が行う“コロナ後の事業再構築”のための補助金、6000万円を申請し、支給されていたことも分かりました。
施設を違法に建築していた中での補助金の申請で、交付取消に伴う補助金の返還の対象になる可能性もあります。
札幌市(2月6日)
「われわれ、基本的には“全棟除却”っていうのが、以前からこう言っている部分でしたので、除却の計画がどのような形になっているのかっていうのをまた見て、また新たな判断がちょっと出てくるのかなと思っていますけれど」
運営会社の社長(2月5日取材)
「動物がいっぱい居るので、すぐに移設とかできないものに関しては(札幌市に)“相談に乗ってください”という話でやっています」
市民らから動物の飼育方法についても、多くの苦情が寄せられている『ノースサファリサッポロ』。
今週にも、違法建築物の撤去に向けた計画書を、札幌市に提出する意向を示していて、その中身が注目されています。