北海道北見市が毎年“30億円”の財源不足に 市民生活への影響は避けられず、市長は計画の理解求める動画公開 植物園は閉鎖見通し
2025年02月27日(木) 17時20分 更新
2月27日、新年度の予算案を発表した北海道北見市。財政の悪化で2025年度から毎年30億円の収支不足が見込まれています。
今後の市民生活への影響は避けられない情勢です。
約800億円の新年度予算案を発表した北見市の辻直孝市長。厳しい見通しを示しました。
北見市 辻直孝市長
「運用できる基金がわずかであることなど、財政調整機能が大変弱い状況にある」
続く人口減少に、広大なインフラの維持管理などから財政が著しく悪化。北見市は来年度から毎年30億円の収支不足に陥る見通しです。
こうした状況を受け、市は2024年に新年度から3年間、事業の見直しなどで予算を削る「財政健全化計画」をまとめました。
しかし、2025年1月になって新たに15億円の財源不足が発覚。
このため、新年度予算案が組めず、予定していた定例市議会も延期されていました。
市はふるさと納税の増額や、さらなる事業の見直しなどで、なんとか財源を確保しましたが、綱渡りの状況が続いています。
北見市民
「(子どもを)北見で育てたいが…どうなるか」
「やはり住民サービスが低下するのでは」
今回の財政健全化計画は、市民への「痛み」も伴います。
市が運営する植物園「緑のセンター」は、熱帯の植物を鑑賞できる施設として長年親しまれてきましたが、26年度末で閉鎖される見通しです。
北見市緑のセンター 長部こずえ 事務局長
「いきなりだったので本当に驚いた。何より温室の植物がこれで枯れてしまうということの悲しさが一番だった」
2月27日、市民に向けて計画への理解を求める動画を公開した辻市長。
不信感が高まる市民の声をどこまで反映できるのか、手腕が問われています。