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危険な熱中症には水分補給が欠かせない…でも飲み方には要注意!「ペットボトル症候群」で血糖値が急上昇するリスクも…口の渇きや頻尿、けん怠感…悪化すれば意識障害も

2024年06月27日(木) 20時43分 更新

 夏の暑さを乗り切るには水分補給が欠かせませんが、飲み方には注意が必要です。

最高気温が25℃を超え、夏日となった、27日の札幌。北海道にも本格的な夏がやって来ました。

札幌のマチでは…
「いやあ暑いですね」「怖いのはやっぱり熱中症ですね」



記録的な猛暑となった去年、北海道内では過去最多の3265人が熱中症で救急搬送されています。

その熱中症予防で大切な「水分補給」に、思わぬ危険が潜んでいるのです。

さっぽろ糖尿病甲状腺クリニック 竹内淳院長
「熱中症対策とか、脱水症のときに、ペットボトルの糖質の入った飲料水をたくさん飲むことによって、体調を崩したりとか、糖尿病を発症したり、場合によっては危険な状態になるというものが、ペットボトル症候群と呼ばれています」



飲み方を間違えてしまうと、思わぬ事態に…。夏の水分補給で注意したい“ペットボトル症候群”について、もうひとホリします。

みなさんは、夏の水分補給、どうしていますか?札幌のマチで尋ねると…。

マチの人たちは…
「めちゃめちゃ水飲んでます」

「いつもスポーツドリンクとかお茶…ペットボトル2リットルを1本とかは飲みます」

「基本は水ですね。ジュースも結構飲みますね。家に1.5リットルを置いて、いつも飲んでます」

夏の暑い日に買いたくなるペットボトル飲料。

しかし、糖質が入ったスポーツドリンクや炭酸飲料などを大量に飲んだり、一気にがぶ飲みすると、血糖値が急激に上昇し、“ペットボトル症候群”になる可能性があるといいます。

さっぽろ糖尿病 甲状腺クリニック 竹内淳院長
「“ペットボトル症候群”になると、軽症のうちは、口が渇くとか、頻回にトイレに行く、特に夜間トイレに起きちゃうっていうような症状とか、吐き気とか、倦怠感が出ますね」



「重症になると、そのあと意識が朦朧となったり、あと何回も吐くような状態になってしまったり、場合によっては痙攣を起こしたり」



“ペットボトル症候群”になると、血糖値が上がり、結果的に、尿の量が増えることで体内の水分が減り、喉が渇き、再び、糖質の入った飲みものを飲んでしまうという悪循環に陥りやすくなります。

“ペットボトル症候群”にならないために、どんなことに気をつければいいのでしょうか。

■《ペットボトル症候群とは?》
改めて“ペットボトル症候群”に陥った場合、どんな症状が現れるのかをまとめてみました。

“ペットボトル症候群”は、糖質が多く入った清涼飲料水を大量に飲んだり、一気に飲んだりすることによって、血糖値が急激に上昇して起こります。

症状としては【口の渇き】【頻尿】【けん怠感】【吐き気】などを発症。

悪化すると【嘔吐】が続いたり、【意識障害】【けいれん】を引き起こすことがあります。飲み物をがぶ飲みすることが多い男性がなりやすく、特に肥満気味の若い男性が多いと言われています。



では、どのくらいの糖質が含まれているのか…愛知県の豊川保健所が、次のようなデータを公表しています。1本3グラムのスティックシュガーに換算して、何本分になるかを表したデータです。

■《ペットボトル飲料 糖質の量(500ml)》
・麦茶・緑茶@0本分
・スポーツドリンク@9本
・カフェオレ@14本
・オレンジジュース@17本
・コーラ@19本
・リンゴジュース@20本



それでは“ペットボトル症候群”にならないためにどうすればいいのでしょうか?

■《ペットボトル症候群の対策》
・甘い炭酸飲料などの糖質入りのドリンクを毎日飲まない。
・水・お茶・低糖質のスポーツドリンクで水分補給。   
・低糖質ではないスポーツドリンクは1日1本(500ml)。または薄めて飲む。


            
そして、ペットボトル飲料についての注意は“飲み残しの放置”です。
                    
■【一度口をつけたら細菌どのくらい増える?】
一度口をつけたペットボトルを放置した場合、どのくらい細菌が増えるのでしょうか。

栃木の“宇都宮市衛生環境試験所”が行った実験データがあります。口をつけて飲んだペットボトルを、30度で48時間放置した結果です。

・「ミルクコーヒー」の細菌数は1mlあたり3億個以上。飲んだ直後と比べ30万倍以上に増加します。

・「麦茶」の細菌数は1mlあたり3万個以上。飲んだ直後と比べ10倍以上に増加します。


  
それでは、細菌を増やさないためには、どんな対策が必要なのか…ポイントは3つです。

■【細菌を増やさない対策】
①コップなど他の容器に移して飲む。
②冷蔵庫で保存。
③早めに飲み切る。 

この3点が大事だということです。暑い日がこれから続きます。

この夏は、熱中症を防ぐためにも、まずはしっかり水分補給を取りながら、ぜひ“飲み方”にも注意してみてください。