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「政治とカネ」震源地の北海道9区“刷新感”打ち出す自民、3期実績アピールの立憲、批判強める共産、有権者は「議員は自分の義務や責任をはたさなくてならない」

2024年10月10日(木) 21時15分 更新

9日、衆議院が解散し事実上の選挙戦が始まりました。

「政治とカネ」の問題で辞職した堀井学氏が活動してきた北海道9区。有権者の眼が厳しさを増す中、立候補予定者は政治への信頼を取り戻すことができるのでしょうか。

9日衆議院が解散し、各立候補予定者が慌ただしく走りだす中、北海道内の「政治とカネ」問題の震源地では…。

松本雅裕記者
「強制捜査からおよそ2か月半。堀井氏の事務所は引き払われ誰もいません。周りは静けさが漂っています」

8月に衆議院議員を辞職した堀井学氏。自民党派閥の裏金事件でおよそ2200万円を収支報告書に記載せず、違法に香典を渡すなど「政治とカネ」の問題が噴出しましたが、有権者に説明もなく事務所を閉じました。

有権者
「議員になった人たちは、自分の義務や責任を果たさなくてはならないと思う」

「(自民党が)名前の売れている人を推薦した。そもそも、そこから間違っている」

有権者の中には、こんな声も。

有権者
「今回は(選挙に)行かない。ちょっと地元ではと思いながら…」

裏切られた地元には、政治そのものへの不信感が募っています。



そんな北海道9区に堀井氏の後任として挑むのは、自民党の松下英樹氏です。東京でコンサルティング会社を経営する広島県出身の34歳。公募による選考で選ばれました。

道9区立候補予定 自民・新 松下英樹氏(34)
「皆さんご承知のように、政治不信に揺れている。新しい人材が、いまの政治、自民党に求められている」

北海道登別市で観光関連会社の代表を務めているとはいえ、知名度はほぼゼロ。逆風が吹く中、「刷新感」を打ち出して名前の浸透を図ります。



道9区立候補予定 自民・新 松下英樹氏(34)
「政治への不信感を払拭するためにやってきたので、しっかりと新人候補として頑張っていきたい」
「(どうやったら拭えますか?)あくまでも挑戦者なので、しっかり新しく変えていく変わっていくことを訴えるしかない」



3年前に続き当選を目指すのは立憲民主党の前衆議院議員、山岡達丸氏45歳。

道9区立候補予定 立憲・前 山岡達丸氏(45)
「公職選挙法違反の舞台になった地域。この地域からどういう結果を出せるか、大きな結果を出せるかということは非常に意義のあることだと思っている」

衆議院議員を3期務めた実績をアピールし、自民党に不信を抱く有権者に支持を拡大しようと、地元のイベントにこまめに顔を出しています。



道9区立候補予定 立憲・前 山岡達丸氏(45)
「裏金という法的にも問題があるような、会計の処理が行われていたことが明らかになった。この選挙は、いまのままの政治でいいのか、あるいは政治を変えていかなくてはいけないのか」



「政治とカネ」への批判を強めるのは共産党の立野広志氏67歳も同様です。

道9区立候補予定 共産・新 立野広志氏(67)
「誰が首相になっても政治の中身、自民党の中身は変わらないことを国民の前に示したのではないか」

洞爺湖町の町議を36年務め、去年の夏には早くも衆院選への出馬を表明。街頭でマイクを握ってきました。



道9区立候補予定 共産・新 立野広志氏(67)
「堀井さん個人の問題というより自民党そのものの組織的な犯罪ですよね。次の候補者となる方が、どういうふうに反省なり弁明するのか、そのことは問われると思う」

中国への水産物の輸出停止や、人口減少にバスの運転手不足。課題が山積する地域に、クリーンな政治で応えてくれるのは誰なのか。

有権者の選択の眼は、これまで以上に厳しくなっています。

北海道ニュース24