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38歳で乳がん「子どもの成長を見届けられるのか」闘病を乗り越え悩みを分かち合う場を…子育て世代の乳がんを支える活動【国際女性デー】

2025年03月07日(金) 17時50分 更新

ミモザの花は、女性の権利向上を目指す国連の「国際女性デー」のシンボルです。

3月8日の「国際女性デー」に合わせ、子育て世代の乳がんについて考えます。

闘病を乗り越えた経験から、同じ立場の女性たちを支えている人を取材しました。



・滝澤ひとみさん
「がんになったと言ったのは私くらい」

滝澤ひとみさんは、38歳で乳がんと診断されました。



滝沢さんの頭に真っ先に浮かんだのは、「2人の子どもの成長を見届けられるのか」という不安でした。

さらに、右胸を摘出し、抗がん剤治療の副作用で髪が抜けると…。

・滝澤ひとみさん
「1人の人間としてというか、女性としての喪失感。表には出さなかったが、自分の中で感じていた」



出産、子育て、仕事などライフイベントが重なる30代。一方で、乳がんになるのは60代がピーク。

滝澤さんが抱える不安を、同じ立場で分かち合える人はいませんでした。

1年半にわたる闘病を乗り越えた滝澤さん。



自分と同じように、子育てとがんの治療を両立する女性が悩みを相談できる場所を作りたいと、10年前にがんサロン「ラクシア」を立ち上げました。

この日、訪れたのは42歳の女性。

自分ががんであることを、小学生の子どもに、いつ伝えたらよいのか悩んでいました。



・訪れた女性(42)
「『早めに伝えないと』とは思いつつ、タイミングを見計らい。どうしようかなと」



・ラクシアの参加者
「私はすぐ(子どもに)伝えてしまったが、『自分がいっぱい迷惑をかけたから、お母さんががんになってしまったのではないか』と思ってる。(子どもから)『ごめんね』と(伝えられて)」
「『あなたのせいじゃない』と説明してあげたほうが、子どもは安心するのかも」

・訪れた女性(42歳)
「感情の波がフラットに保てないところがあったが、『ラクシア』に来てからは話も聞いてもらえるし、皆さんの経験談がかなり力強い」

滝澤さんの活動はもうひとつあります。

その拠点は、北海道がんセンターのアピアランスケアルームです。

ここは、がん治療で見た目が変わっても安心して過ごせるためのケアグッズを揃えていて、実際に触れて確かめることができます。



・馬場佑里香 記者
「結構重みがあって、すべすべしていますね」

・滝澤ひとみさん
「重みもある程度ないと体がバランスがよくない。(下着に)パッドを入れて使う」

滝澤さんは、自分の経験を生かしてピア・サポーターとして勤務し、患者の相談に応じています。



・滝澤ひとみさん
「自分だけが誰かに支えられているのではなく、自分も誰かを支えている。それもすごくパワーになる」

当事者どうしが悩みを話し合うことで、それぞれが前向きになれる「ラクシア」の活動。

どんな悩みでも、吐き出せる場所を見つけることが、心の元気につながるかもしれません。

北海道ニュース24