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「凍死は自殺で、いじめが主な原因」再調査の“公表版”を市議会で報告…秘匿すべき個人情報は黒塗りでなく削除、警察の対応なども検証した再発防止策を提言 旭川・中2いじめ問題
2024年09月13日(金) 11時10分 更新
3年前、北海道旭川市の公園で、中学2年生の女子生徒が凍死した問題で、13日午前、再調査委員会が「凍死は自殺で、いじめが主な原因」と結論付けた報告書が市議会で公表されました。
13日午前、市議会で公開された「公表版」は366ページに及び、遺族側と協議した秘匿すべき個人情報について、黒塗りではなく、削除で対応しています。
旭川市の今津寛介市長(13日午前)
この問題をめぐっては、当初、教育委員会や学校側がいじめを認めず、その後、市教委の第三者委員会が下記の6項目をいじめとして認定したものの、凍死といじめの因果関係については不明と結論。
再調査委の“公表版”が報告された旭川市議会(13日午前)
これに対し、再調査委員会は「凍死は自殺で、いじめが主な原因」と結論付けた上で、新たに学校内で廣瀬さんの特徴的な行動を真似て笑う“からかい”などもいじめと認定しました。
そして、学校や市教委の対応だけでなく、警察の対応も検証。
366ページに及んだ再調査委の“公表版”
「特段の問題があるとも認められない」としながらも、いじめ防止等対策の点から「警察の捜査が、いじめ防止対策推進法に基づく調査に必ず優先するとする対応は改められるべきである。仮に、警察の捜査が先行されるとしても、その結果については、記録として、学校、教育委員会、さらには、いじめ重大事態調査委員会、同再調査委員会に提供されるべきであるし、幾度にもわたって聴取される児童生徒の負担や証言の正確性を踏まえると、仕組みを整える必要がある」と指摘しています。
この報告書の「公表版」は、旭川市のホームページでも閲覧できます。
■市教委の第三者委員会が認定した、いじめ6項目
1.性的な話題をくり返す、体を触る
2.深夜や未明の公園などへの呼び出し
3.飲食代をおごらせる
4.性的な画像の送信の強要
5.性的な行為の強要
6.性的なからかい
※関与したのは、同じ中学と他の中学の上級生の男女7人
※いじめはないとしてきた当時の教育長が引責辞任
※いじめと凍死=自殺の因果関係認めず
■再調査委員会、いじめが主な原因と結論の背景
※上記6項目だけでなく、学校内で廣瀬さんの特徴的な行動を真似て笑う“からかい”や「死ぬつもりもないのに『死ぬ』などと言うな」の趣旨の発言も、いじめと認定
・主に4000件に及んだ廣瀬爽彩さんのSNSへの投稿履歴を徹底調査
・「怖い」「つらい」「死ぬ」など相次ぐ
・2021年2月、失踪前の最後の投稿「ねぇ 決めた 死のうと思う」
・「いじめのトラウマやフラッシュバックがずっと尾を引いて、長期間にわたって彼女を苦しめていたということがつぶさにわかる」
・「いじめに関係なく亡くなったとは、考えにくいのではないか」