『イトーヨーカドー』撤退で北海道のスーパー“二極化”進む?『ダイイチ』最大規模の店舗が『アリオ札幌』に開店 札幌圏での出店攻勢強める
2025年03月21日(金) 16時16分 更新
21日、札幌市東区の『アリオ札幌』にオープンした、帯広市に本社を置くスーパーの『ダイイチ』。
北海道内26店舗目で、札幌圏では9番目の店舗です。
売り場面積は834坪で、『ダイイチ』としては最大の広さを誇りますが、オープン記念の特別セールということもあって店内には人、人、人…。
店員
「すみません、ニラ手渡ししてまーす!98円です!」
品出しする暇もなく、飛ぶように商品が売れていきます。
堀内大輝アナウンサー
「カゴを人だかりの上に上げて、買い物をしている人もたくさんいます。それぐらい身動きとれないぐらいの混雑具合です」
取り扱う商品は、『ダイイチ』として最大規模の約1万7000点。
新鮮な野菜はもちろん、十勝産の食材を使ったお総菜や人気ナンバーワンの『おはぎ』など、充実した品揃えです。
また、畜産コーナーでは環境への配慮として、食品トレーを使わない『ノントレー』を導入しています。
21日は『ノースマン』や『山親爺』で知られる『千秋庵』も同時にオープンしました。
今年で20周年を迎える『アリオ札幌』は、JR苗穂駅から徒歩3分とアクセスもよく、『ダイイチ』の担当者は新店舗に期待を寄せています。
ダイイチ 西崎進 常務
「30代~40代の子育て世帯が多いので、(入学式などの)記念日とかハレの日が多い。買いやすいものから、ちょっと贅沢してみたいなというときにも応えられるような商品を用意している」
『ダイイチ』は、2023年11月にススキノの商業施設『ココノススキノ』の地下にも出店。
2024年11月には『ラピダス』の進出で賑わう千歳市にも店を構えるなど、ここ数年、札幌圏での出店攻勢を強めています。
ダイイチ 西崎進 常務
「これからの発展が期待される、いろんな商圏が変わってくるような場所、発展が望めるような場所が札幌圏にある。先んじて出店できれば」
道内から完全撤退した『イトーヨーカドー』の店舗を引き継いだ『ダイイチ』。
札幌圏での需要を取り込み、存在感を示すことはできるのでしょうか。
札幌市内では、撤退した『イトーヨーカドー』の後継店として、福住店、屯田店、5月頃オープン予定の琴似店が『ロピア』に。
そして、すすきの店とアリオ札幌店を『ダイイチ』が引き継いでいます。
一方、『西友』の店舗がどうなったかと言うと、市内9店舗を『イオン北海道』が引き継いでいます。
スーパー業界の再編は消費者にとって、どんなメリットがあるのでしょうか。
帝国データバンク札幌支店 情報部 渡辺雄大 部長
「客を招き入れるために各社知恵を絞って、どんどん競争が激しくなるにつれて、サービス・質も上がっていくので、それを客が選べる形になるので、競争が進むというのは、そういうメリットがある」
帝国データバンクの渡辺さんは、今後、道内のスーパー業界は“二極化”が進むとみています。
帝国データバンク札幌支店 情報部 渡辺雄大部長
「店舗のリニューアルとか、客を呼ぶためのあらゆる施策が資本的に余裕があるとできるけど、(規模が)中堅以下はある程度厳しい。場合によっては大手に買収されるか、単独でやったとしても、じり貧状況が続くような形であると。二極化がさらに進むと思う」
帝国データバンクによりますと…
・北海道は地理的に輸送などのコストがかかるため、外からの資本が入りにくく、道内企業内での競争になりやすい。
・今後、25店舗の出店計画がある道外企業の『ロピア』が成功するのか注目される。
・他の企業のさらなる工夫や知恵を絞る必要がでてきそう。
消費者の節約志向が高まる中、各社の競争はますます激しくなりそうです。