「梨瑚さんが押した、私は押していない」当時19歳の女の被告、殺害された女子高校生はロープか何かにつかまった後…「梨瑚さんも真実を話して」旭川高校生転落殺害
2025年03月04日(火) 18時29分 更新

北海道旭川市で、去年4月、女子高校生(当時17)を橋から川に転落させて殺害した罪などに問われている当時19歳の女(20)の裁判員裁判が4日、旭川地方裁判所で開かれました。
被告人質問で、女子高校生が転落する状況を聞かれた女は、共謀したとして起訴された内田梨瑚被告(22)が橋の欄干の外側に立った女子高校生を押したと説明し、「私は押していない」と述べました。事件の現場(2024年 北海道旭川市)
起訴状によりますと、当時19歳の女の被告は、去年4月、内田被告の画像を勝手に使用した女子高校生(当時17)を車で連れ去り、旭川市郊外の橋の上から「落ちろ」「死ねや」と言うなどして転落させて殺害した罪などに問われています。女子高校生が転落した川
■弁護側は「大半は内田被告の指示」内田梨瑚被告(22)
4日に行われた弁護側の被告人質問で、女は当時の状況について「被害者が川の方を向いて手を横に広げて大きく深呼吸した。川の方をむいたまま前の方へ向きかけたところ、梨瑚さん(内田被告)が押した、私は押していない」と述べ、内田被告が1人で女子高校生の背中を押したと説明しました。
また女は、女子高校生はロープか何かに捕まった後、悲鳴をあげながら川に落ちたと話しました。
そして「本当に取り返しのつかないことをしてしまった。亡くならせてしまった責任を一生涯かけて償っていきたい。本当にすみませんでした、ごめんなさい」と、女は傍聴席に体を向け謝罪を繰り返しました。初公判の被告の女(2月27日 法廷スケッチ)
女は、初公判で起訴内容を認めていて、弁護側は「大半は内田被告の指示」などと情状酌量を求めています。
■検察は「内田被告と同等の役割」指摘旭川地方裁判所(4日)
一方、検察側は「内田被告と同等の役割を主体的に果たしている」などと指摘しています。
4日の検察側の被告人質問で、女は女子高校生が橋の欄干から転落する直前「落ちろ」「死ねや」と何度も言ったときの気持ちを聞かれ「すごいイライラしていたと思う」と振り返りました。
そして、被害者が転落したのは、内田被告と女(自分)の行為によるものかをたずねられると「間違いありません」と答えました。
内田被告は逮捕時の調べに「橋に置いてきただけで、落ちたところは見ていない」と容疑を否認していて、両者の主張は食い違っています。
■事件後の女と内田被告内田梨瑚被告(22)
事件後、女は内田被告の指示に従ってスマホのメッセージを全部消したと説明。
また弁護側から通報しなかった理由を問われ「梨瑚さんに黙秘しろと言われたが、本当のことを話したら何をされるかわからないので怖かった。梨瑚さんの供述は作り話で、真実が闇に消されると思い、本当のことを話した、梨瑚さんも真実を話してほしい」と述べました。
■殺害された女子高校生の両親「娘はどんな気持ちだったか」
4日は女子高校生の両親が代理人を通じて女に質問しました。
・母親の代理人
「暴力をふるわれているあいだ、娘はどんな気持ちだったか考えたことはありますか」
・当時19歳の女の被告
「すごい怖くて、痛くて、寒くて、すごいつらくて苦しかったと思います」
・父親の代理人
「どう償うか、いままで考えてきましたか」
・当時19歳の女の被告
「人を亡くならせてしまったのに、これをしたから償いが終わるとか軽く思ってないので。今後も考えていきたいと思います。今はこの裁判で事件で何が起きたのかを話して、私の犯した罪にあった刑を下してもらう。それくらいしかまだ具体的には…」
声を詰まらせ、涙を流しながら答えた当時19歳の女の被告。
■検察「被害者の人格の尊厳を踏みにじるもの」懲役25年求刑
5日の裁判で、検察は「犯行は被害者の人格の尊厳を踏みにじるもので、内田被告と同程度の必要不可欠な役割を果たした」などと指摘。
当時19歳の女の被告に対し、懲役25年を求刑しました。
判決は7日に言い渡されます。