AI技術でブランド和牛を生産するプロジェクトが北海道大学で開始へ キーワードは“スマートな放牧”放牧飼養の遠隔自動管理で労働軽減の期待も
2025年03月27日(木) 16時43分 更新
地球にも、動物にも生産者にも優しく、それでいて肉も高品質。
北海道らしいスマートな畜産業をめざして実証実験が始まります。
和牛の生産が盛んな北海道胆振地方の白老町です。
『白老牛』のブランドで全国に知られますが、生産には多くの飼料やエネルギー、労働力が必要です。
そうした中で直面している担い手不足や飼料の高騰など課題について、最新のAI技術を駆使しながらブランド和牛を生産するプロジェクトが北海道大学で始まります。
ポイントは“スマートな放牧”です。
北海道大学 北方生物圏 フィールド科学センター 後藤貴文 教授
「スマートフォンによる放牧飼養の遠隔自動管理。放牧すると農家の労働も軽減できるし、グラスフェッド(牧草のみで飼育)の牛肉ができて、新ブランドになる可能性がある」
牛にGPSセンサーをつけて放牧。
自然のなかで飼育することで、輸入に頼っていた飼料の量を減らします。
牛が食べた草の量や体調の変化は、センサーから送られるデータをAIが分析して生産者のスマートフォンに送信。
少人数で管理でき、余暇の時間も生まれる生産者にはありがたいシステムです。
北海道大学は、この実証実験を2025年春から白老町の牧場で始め、持続可能な農業のシステムを構築したいとしています。