「10mも泳げず最期の瞬間まで苦しんだ」と検察「責任は内田被告と大きく異なるものではない」懲役25年求刑“絶望”被害者の両親…被告の女に「同じ思いをさせたい」【旭川女子高生殺人】
2025年03月05日(水) 17時52分 更新

北海道旭川市で女子高校生(当時17)を橋から転落させ殺害した罪に問われている当時19歳の女の被告(20)の裁判員裁判は、5日結審し、検察は懲役25年を求刑しました。
当時19歳だった被告は、内田梨瑚被告(22)と共謀し、女子高校生を車で連れ去り、旭川市郊外の橋から転落させて殺害した罪などに問われています。初公判の被告のスケッチ(2月27日)
初公判で、被告は起訴内容を認めましたが、弁護側は「大半は内田被告からの指示だった」として情状酌量を求めていました。検察「被害者の人格の尊厳を踏みにじり悪質」
■検察「被害者の人格の尊厳を踏みにじり悪質」
5日の論告で、検察は犯行について「生きたまま川に落下させ、確実に死に至らしめるものであるが、一方で即死するものではなく、最後まで苦痛を与える方法で極めて残虐で悪質」と指摘。
また、内田被告との関係については「上下関係はあったが、暴力や恐怖で支配するものではなく、被告人は内田被告のことを慕っていた。犯行への加担は強制されていない」と指摘しました。
検察は、殺害された女子高校生は「10メートルも泳ぐことができず、最期の瞬間まで苦しんで亡くなった」「高校卒業後は、保育の専門学校に行くことを検討していて、事件の翌日には札幌のオープンキャンパスに行く予定だった」と明かしました。
そして、被害者の人格の尊厳を踏みにじり悪質であり「責任は内田被告と大きく異なるものではない」として懲役25年を求刑しました。事件の現場(去年6月 北海道旭川市)
■被害者の両親は「被告に同じ思いをさせたい」
殺害された女子高校生の両親は、代理人を通じて「娘が帰宅せず絶望に押しつぶされそうになりながら、帰ってきてほしいと願い捜索を続けた」と絶望の中、ただ生きていてほしいと願っていたと述べ、「被告に対し同じ思いをさせたい、可能な限り厳しい厳罰を求める」と訴えました。事件の現場(去年6月 北海道旭川市)
■弁護側「更生する可能性も高い」
弁護側は、小学4年からいじめで不登校だった被告は、起訴された後、小学4年の問題集を解くなど勉強を続けていることをあげて、更生する可能性はあると主張しました。
そのうえで「当時19歳の被告の立場は従属的で計画性も見られず、再犯の可能性はない」として懲役15年が相当と訴えました。被告の女「どんな判決でも覚悟はできています」
■被告の女「どんな判決でも覚悟はできています」
最後に証言台に立った当時19歳の被告。裁判長をまっすぐに見つめ、涙ながらにこう語りました。
・当時19歳の被告
「この法廷では、あの日起きた本当の真実を話しただけで、自分のしたことが軽くなると願って話したわけではありません。私は私に下された刑に従います。どんな判決でも覚悟はできています」
5日間の審理で自らの罪とどう向き合ったのか、判決は7日に言い渡されます。