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大物議員が続々…激戦区に横たわる「原発再稼働」「核ごみ」演説やアンケートで主張の違い鮮明 前職の中村氏と大築氏、新人の佐々木氏と斎藤氏が立候補【北海道4区】

2024年10月23日(水) 20時23分 更新

今回の衆院選でなかなか優劣がつかない選挙区のひとつが北海道後志地方・札幌市の一部のほか、区割り変更で石狩市まで広がった北海道4区です。

届け出順に共産党の新人佐々木明美氏63歳、自民党の前職中村裕之氏63歳、立憲民主党の前職大築紅葉氏41歳、無所属の新人斎藤佳代氏41歳の4人が立候補し、連日、大物が応援に入るなどかつてない激戦となっています。

危機感を強める自民党本部から21日、発せられた文書です。

「わが党の底力を発揮するのは、今この時である」

石破茂総裁名で送られた「緊急通達」です。

そして、選挙の終盤戦、集中的に「テコ入れ」を図る道内唯一の「重点区」になったのが北海道4区です。

自民・前 中村裕之候補(63)
「皆様の力をお貸しください、お願いいたします」

自民党の前職、中村裕之氏。「接戦」を「優勢」に変えようと選挙区には、幹部が続々と投入されています。

高市早苗氏
「中村さんと一緒に仕事をしたいから、ここに伺いました。どうか3年前と同じように皆様のお力をお与えください」

先週は、石破総理自ら。そして、21日は地元・余市町で失言への警戒から報道陣を締め出し麻生太郎元総理が支援を訴えました。

その麻生元総理と同じ日、同じ余市町では。

立憲・前 大築紅葉候補(41)
「なんで自民党の政治家だけ脱税したままで許されるんですか。私には比例復活は認められません」

立憲民主党の前職、大築紅葉氏が自民党批判を展開。さらに、小樽市には野田佳彦代表が。この前の日には、枝野幸男最高顧問が手稲区に入る徹底ぶりです。

大物が続々と入る選挙区で問われるものは。

後志地方から石狩市までおよそ300キロの海岸線を持つ北海道4区。石狩市には国内最大級の洋上風力発電。泊村では北電泊原発の再稼働問題。寿都町では「核のごみ」の最終処分場選定に向けて初の文献調査が行われるなど日本のエネルギー政策の縮図でもあります。

公示日、寿都町に入った自民党の中村氏。片岡町長が応援に駆け付けるなか「核のごみ」について初めて有権者の前で口を開きました。



自民・前 中村裕之候補(63)
「70億円をもらって前に進むのか、ここまででストップするのか、それは住民の皆さんの判断になるかと思っています」

中村氏は泊原発の再稼働の是非を問うHBCのアンケートに電気料金高騰や電力のひっ迫を招くとして「必要」だと答えています。

一方、立憲民主党の大築氏が寿都町で語ったことは。



立憲・前 大築紅葉候補(41)
「(自民党が)お金に対してないがしろにているところ、選択をしなければいけない瞬間が訪れている」

エネルギー問題への言及はありませんでした。しかし、アンケートでは「福島第一原子力発電所事故の教訓を忘れてはいけない」と、原発再稼働は「不要」との考えを示しました。

一方、原発再稼働に反対し、「核のごみ」についても語気を強めたのは、共産党の佐々木明美氏です。



共産・新 佐々木明美候補(63)
「豊かなマチに、核のごみを押し付けるなどあってはなりません。受け入れてしまえば、10万年も核のごみに悩まされて暮らさなければならない」

無所属の斎藤佳代氏は泊原発の再稼働について、「しばらく観察が必要である」と、明言を避けました。



無・新 斎藤佳代候補(41)
「北海道の元気、それが日本列島の元気につながることを共有したくて参りました」

次世代半導体の製造を目指すラピダスの進出などで増加する見通しの道内の電力需要。地域の発展と安全をどう両立させるのか。選択の日は、もう目の前です。

北海道ニュース24