【変わる藻岩山スキー場】スキー限定のゲレンデが“スノーボード解禁”人気復活へ新事業テスト“ばんけいスキー場”とのシャトルバス運行も
2025年03月05日(水) 19時41分 更新
1960年に開業した「札幌藻岩山スキー場」中心部から車でおよそ20分で行ける身近なスキー場として市民に親しまれてきました。
これまでスノーボードでの滑走は禁止でしたが、ついに3月、解禁されました。
・スノーボーダー
「家からも近いし、スノーボードを解禁してくれるとすごい利用しやすいしうれしい」
なぜ、このタイミングで解禁したのでしょうか。
・来年度からスキー場を運営する北海道スクエア 勝木征史社長
「当初はスキーとスノーボード、どうしても動きが違うもので、事故とかがあるんじゃないかと言われてた時代もあったものの、スキー限定はもう藻岩山スキー場だけでほかのところは両方が滑れる形になっている」
新たな民間企業が運営することが決まり、人気回復に向けて、大きく変わる藻岩山スキー場をもうひとホリします。
藻岩山スキー場の利用者は1990年度のおよそ287万人をピークに減少し、コロナ禍の2019年度は66万人にまで落ち込みました。
その後、回復傾向ですが、いまだ100万人には届いていません。
札幌市と国が土地を所有する藻岩山スキー場は、これまで、複数の事業者がリフトやレストランなどの運営をそれぞれ行ってきました。
この体制を見直し、来年度からは札幌市の企業「北海道スクエア」が一括で運営します。
・来年度からスキー場を運営する北海道スクエア 勝木征史社長
「ロッジやリフトの更新の費用の捻出が厳しいという話も聞いており、やはりどこかが一括で運営権を持ってそこに集中するシステムが必要と考えている」
新たなスキー場の姿を目指して、3月1日から23日まで、実証実験が行われています。
そのひとつが、さっぽろばんけいスキー場と藻岩山スキー場を結ぶシャトルバスです。
第1便に、いつもはばんけいで滑っている子どもたちが乗り込みました。
・小学生
「藻岩山スキー場に行くのが初めてです」
「楽しみです。いっぱい滑ります」
シャトルバスは道道を通って、およそ15分で藻岩山に到着。
料金は無料で、1時間に2往復運行します。
2つのスキー場の共通リフト券も販売し、あわせて28コースを一度に楽しめます。
いわばライバルともいえる藻岩山との連携に、ばんけいスキー場は…
・札幌ばんけい 井上浩勝社長
「タッグを組み、来た客に喜んでもらうのはすごくいいこと。2つの山を制覇しちゃおうという魅力がある」
また、この実証実験にあわせて、藻岩山の全コースでスノーボードの滑走が解禁されました。
早ければ来年度からシーズンを通して楽しめるようにしたい考えです。
スノーボーダーの反応は…
・スノーボーダー
「滑って見た景色も結構よくて雪質は春雪だけど、滑ってみたことないコースだったので楽しくて新鮮」
「スキーの皆さんがどう思っているか不安。なので安全に滑りたいなと」
スノーボーダーを受け入れれば、利用者の間口は一気に広がります。
・来年度からスキー場を運営する北海道スクエア 勝木征史社長
「特に若い世代に関しては半々か、もしくはスノーボードのほうがユーザー数は多い。もっともっと市民に楽しんでもらると考えて、スノーボード解禁を検討している」
このほかにも、ロッジの建て替えや、すべてのリフトの更新など施設もリニューアルしていく計画です。
さらに、冬以外にもスキー場で音楽やグルメなどのイベントを開きたいとしています。
・来年度からスキー場を運営する北海道スクエア 勝木征史社長
「(夏場の)グリーンシーズンを含めて、市民の方たちが気軽に行って、そして行ってみたら何かおもしろいことをいつもやっている、そんな場所に育てていきたい」