JR北海道の「脱線事故」「要請欠席」に北海道知事が苦言「不備や虚偽報告が相次いでいる」 新幹線の札幌延伸を巡る国への要望にJRは出席せず
2025年04月11日(金) 19時08分 更新
JR北海道の相次ぐ事故や、北海道新幹線の札幌開業延期をめぐる対応について、鈴木知事が苦言を呈しました。
北海道 鈴木直道知事
「今回の脱線事故も含めて、安全管理の取り扱いの不備や虚偽報告が相次いでいる。利用するみなさんも安全安心の中で、鉄道を利用することを前提としているので、(道が)利用促進を呼びかけるにあっても課題になりかねない」
11日、JR北海道に強い言葉で安全対策の徹底を求めた鈴木知事。
4月1日、運賃値上げ当日のJR北海道の会見です。
JR北海道 綿貫泰之 社長
「何よりも安全は経営の根幹であって、昨年度発生させた重大事故、事象、労働災害、これらについて再発防止に徹底的に取り組んでいく」
しかし、1週間後、中川町のJR宗谷線で普通列車が脱線。
国の運輸安全委員会が事故原因の調査を進めています。
2024年11月のJR函館線の貨物列車脱線事故や、砂川駅で列車接近中に作業員が線路に立ち入った問題など、相次ぐ安全面の課題を受けて、2025年度の事業計画で「安全輸送の確保」を第一目標に掲げた矢先の事故です。
知事の苦言は止まりません。
4日、北海道新幹線の札幌延伸が2038年度末以降に延期となる見通しを受け、知事や自治体トップらが国に行った緊急要請。
その場に営業主体のJR北海道は同席しませんでした。
理由は「日程の調整がつかない」でした。
北海道 鈴木直道知事
「JR北海道の経営にも大きく影響するし、JR北海道としても極めて重要な案件。社長が忙しいなら代理の方に出席を検討いただくことも可能ではなかったか」
JR北海道 綿貫泰之社長(1日)
「営業主体として一日も早い開業に向けて、建設主体の鉄道・運輸機構に必要な協力をしっかり行っていく」
実は、JR北海道の株式を100パーセント保有しているのは、新幹線の建設を担う鉄道・運輸機構。
JR北海道の会見や行動には微妙な立場も見え隠れします。