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自分で握ったおにぎりで“食中毒”ラップを使い、具も傷みにくい梅おかかをチョイスしたのに…夏は気温だけでなく湿度にも注意

2024年07月09日(火) 20時21分 更新

これから夏本番を迎える北海道内。そんな中、特に注意したいのが、お弁当などでの「食中毒」です。9日は、その注意点などを「もうひとホリ」します。

まずは、街の皆さんに、おにぎりをつくった時、すぐにラップなどで包むかどうかを聞いてみました。

30代女性
「(ラップを)はがすのも面倒なので、そのまま放置しちゃうかも…そのまま、お弁当箱に入れて持ってっちゃう」

30代女性
「(そのまま)入れてます。むしろ入れてます!そのままピッピッってやって…(ラップの中に)水滴つきますよね、あまり、見て見ぬふりしてました」



皆さん「やってしまっていた」という人が多かったんですが、実はこれ、気を付けないと、これからの季節『食中毒のリスク』を高めてしまうかも知れないんです。

北海道立衛生研究所 大野祐太(おおの・ゆうた)さん
「(ラップで)手に付いていたもの(菌)をおにぎりにつけないっていう対策はとられているんですけども、それで安心してしまうと危ないです」

そう話すのは、道立衛生研究所の大野祐太(おおの・ゆうた)さん。どんな部分に”食中毒のリスク”が潜んでいるのか、伺いました。



道立衛生研究所 大野祐太(おおの・ゆうた)さん
「(ごはんを)ラップでくるむことで、中の熱が逃げにくい。あとは、湿度も水蒸気が(ラップの)中で結露してビチャビチャになってしまうおそれがある。湿度に関してはビチャビチャのまま食品を保存しておくと、たとえ気温が低くても菌が増えてしまう」



温かいご飯でおにぎりを作る場合、菌などがつかないように、素手ではなく”ラップ”を使って握っても、ある程度はどうしても”菌”が入ってしまいます。

その菌が増殖する際、『温度』だけではなく、『水分』も大きく影響しているんです。

そのため、ラップを使って、おにぎりを作る時は、握った後にラップの両端を閉じないで開けておき、蒸気を逃がしてから包まないと食中毒のリスクが高まってしまうということなんです。

30代女性
「(いつもは食材を)素手で触らないように、くらいですかね。確かに、結露だなって思ってたんですけど」

道立衛生研究所 大野祐太(おおの・ゆうた)さん
「細菌というのはですね、大体37度から42度のあたりで、爆発的に増えるという特性を持っています。湿度に関してはビチャビチャのまま食品を保存しておくと、たとえ気温が低くても菌が増えてしまうので、可能な限り乾燥させるとか、ベチャベチャにしない程度の対策を取って保管するのがいいと思います」

食中毒は、気温だけではなく「湿度」にも注意が必要なんです。

実際に、道の『食中毒警報の発令基準』を見てみると、「前の2日間の最低気温が20℃以上で、かつ、湿度が85%以上の場合」など、湿度も含んだ基準になっているんです。

道立衛生研究所 大野祐太(おおの・ゆうた)さん
「食中毒を起こす細菌はいろいろありまして、たくさん菌が増えた時に起きる食中毒とちょっとの菌でも食中毒になる菌がいますので暑くない。きょうは夏だけど、比較的涼しいから安心だっていうわけではなくて、日頃からやっぱり注意していくことが大事」

一方、”ちょっとの油断”から食中毒になってしまうと、どれだけ辛いのか?



6月、自分で握ったおにぎりで「食中毒」になってしまったという札幌市のタクシー運転手・知美さん(40代)に、その時の様子を聞きました。

おにぎりで食中毒になったタクシー運転手 知美さん
「一番辛い症状は、吐き気。あと、実際のおう吐…の繰り返しですね」

その日は、いつもと変わらず、朝炊いたご飯の残りで、おにぎり2個を作ったという知美さん。



やはり、食中毒が心配なので、素手ではなくラップを使い、具も比較的傷みにくい「梅おかか」をチョイスしました。

しかし…。



おにぎりで食中毒になったタクシー運転手 知美さん
「タクシードライバーなんですが、車のトランクの中に、自分のバッグの中にそのまま保管しておきました。」

おにぎりで食中毒になったタクシー運転手 知美さん
「(Q、おにぎりを食べた時は?)まったく違和感がなく、臭いもないし、味の変化もない」

その日は、最高気温が20℃未満の涼しい日だったので安心していたという知美さん。



しかし、おにぎりを食べた、およそ4時間後、吐き気がひどく仕事は早退。その後も、具合は悪くなる一方だったと言います。

おにぎりで食中毒になったタクシー運転手 知美さん
「具合が悪くてベッドに横になっていても、寝れない状態で、常にムカムカしている状態で。救急車を呼ぼうかなと思うくらい本当に動けないし、それを思ったのが夜だったんですけど、病院に行こうと思って調べました。たとえ気温が低くても、保冷剤、保冷バッグ、それで持っていけば(食中毒に)なることはなかった」



これから夏本番ですので、食中毒警報なども出てきますので、お弁当づくり改めて細心の注意をしてください。