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タイ人観光客を北海道に呼び戻せ!札幌や小樽だけじゃない魅力的な旅行先を探すタイの旅行会社が“十勝”を視察 観光客を引き寄せるカギはタイ語で発信するSNS

2024年09月11日(水) 19時18分 更新

北海道十勝の観光地を巡るタイからやってきた一行。でも、ただの観光客じゃなかったんです!

北海道の帯広競馬場を訪れた、タイ人の一行。



世界唯一の“ばんえい競馬”の様子を熱心に撮影しています。そして、馬たちとの触れ合いも…。

(Q.十勝に来たのは何回目?)

タイから来た女性「初めてです!」

何もかもが初体験。とにかく写真や動画を撮って撮って、撮りまくります。

彼らは、なぜ北海道の十勝にやって来たのか?



帯広競馬場を訪れた翌日。”十勝晴れ”のもと、上士幌町のナイタイ高原で、その絶景を写真に収める一行。

頂上にある「ナイタイテラス」の運営会社とは、資料を見ながら話し込みます。

ナイタイテラスの運営会社 karch地域戦略部 板橋正智 部長
「このレストランも(今年は)10月で終わっちゃいます。ただ、この写真のように冬場はすごくキレイなんですよね」

「今回いろいろ協力してもらって、初めて冬のナイタイ高原に来てもらうというツアーを作りました」

実は彼らは、タイの旅行会社の副社長と、商品開発やSNSを担うスタッフなんです。

今回の十勝地方訪問の目的は『視察』。

つまり、日本への旅行を考えるタイ人向けに『十勝をめぐる旅行商品』を作れるかどうか?可能性を探るためにやって来ました。



クオリティ エクスプレス チーワーラッタナーポン副社長
「きょうはいい天気で、たくさんカワイイ牛も見られてうれしかった。キレイな景色も見られて、このテラスはとてもいいロケーションだと思う」

「タイ人は北海道のスタイルがとても大好きです。今回は、また新しい旅行ルート探して、いいものはお客さんにたくさん紹介したい」



大切なのはPRと話す副社長。

これまでも実際に日本の各地を視察し、SNSを駆使して、タイの人たちに、旅行商品をPRしてきました。

今は札幌市や小樽市が中心のタイ人の北海道旅行に、新たに「十勝」を加えようと、10日までの3日間で、帯広市と上士幌町のほか、新得町の「ベアマウンテン」や然別湖など、十勝地方だけで7か所を視察しました。



こうした、タイの旅行会社の「視察」をいま積極的に招いているのは、自治体などではなく、新千歳空港などを運営する会社『北海道エアポート』なんです。

北海道エアポート 観光開発部 水口猛 担当部長
「タイは直行便がありますから、この主要路線の利用を増やしてもらいたいと思って、今回はタイを選んだ」

「主にタイの旅行会社が作っているコースを見ると、十勝はまだそんなに入っていない。これから知ってもらえば伸びる余地があると思うので、今回は十勝をご紹介した」

コロナ禍が明け、北海道に各国からの観光客が戻ってくる中で、タイからの観光客は、回復のぺースが鈍いままです。

どうすれば、呼び戻すことができるのか?



タイ人観光客の動向に詳しい専門家は、SNSの活用がカギになると言います。

アジア・インタラクション・サポート 鈴木啓太さん
「(タイ人は)とにかくSNSをものすごく使う。日本人が思う以上に使う」



「例えば日本人はフェイスブックとかインスタグラムのアカウントを1個持っているという人が大抵ですけれど、2個持っているのが普通」

そして、タイの人に届きやすい情報の発信が大事です。

アジア・インタラクション・サポート 鈴木啓太さん
「タイ語は大きいですね。逆に言うとタイ語でちゃんと発信してるところが少ないので、タイ語にするだけで一気に差別化ができるのは、タイマーケットのおもしろいところです」

堀啓知キャスター)
皆さんも旅行に行く前に、インターネットであれこれ検索したり、SNSでいま何が流行っているのかなどを調べたりすると思いますが、思っている以上にSNSを駆使しているんですね。

堀内大樹アナウンサー)
視察に訪れたタイの旅行会社「クオリティ エクスプレス」は、フェイスブックなどのSNSで旅行情報を発信していて、フォロワーは80万人以上もいるとのことなんです。

堀啓知キャスター)
SNSは観光客を呼ぶカギになりそうですが、迎え入れる観光地側は、タイに向かって、どんなアピールをすべきでしょうか?

堀内大樹アナウンサー)
タイ人観光客に詳しいアジア・インタラクション・サポートの鈴木啓太さんは、次のようなポイントを挙げています。

①《「雪頼み」はダメ!他にない「訪れる価値」を…》
 ・雪が見られるだけでは、中国などもライバルになる。

 ・他の場所と”差別化”した「訪れる価値」を発信する必要がある。

②《安全な交通アクセスを確保》
 ・タイの旅行業者が特に気にしている部分。

 ・レンタカーなどで雪道運転を敬遠するタイ人は多く、他にも安全な交通アクセスがあることをアピールすべき。

③《道民がタイへ行くのも誘致策》
・タイとの路線維持や新規就航を考えた時、北海道からタイに行く人も増やすことで、相乗効果で来る人も増える。

これらの点を押さえて、一度、北海道のファンになってもらえれば、リピーターで訪れるようになるのも、タイ人観光客の特徴の一つということです。



堀啓知キャスター)
まずは、海外からの観光客を迎え入れる私たちが、自分たちが暮らす地域の魅力を見つめ直すことが、大切のようです。