北海道の道央圏に新たな高規格道路開通 物流拠点の新千歳・苫小牧・石狩へアクセス向上で「北海道バレー構想」着々、企業誘致も活発化
2025年03月17日(月) 19時37分 更新
3月15日、北海道の道央圏に新しい高規格道路が開通しました。
今後の地域の発展に、大きな可能性を秘めています。
通り初め 司会者「ただいまより、通り初めのスタートです。みなさまいってらっしゃい」
15日、千歳市と小樽市を結ぶ高規格道路の一部区間が開通。
物流拠点の苫小牧港から石狩湾新港までの所要時間は、5分から7分程度短縮される見込みです。
その道央圏では今、ラピダスの半導体工場やデータセンターの開設など、大型の投資が相次ぎ、近隣のマチにも変化が…。
南幌町地域振興係 前田洋佑係長
「令和8年(2026年)10月に分譲開始を予定する。広さが約28ヘクタールの『南幌流通団地』という準工業団地になります」
新たな高規格道路がつなぐ北海道の未来を、もうひとホリします。
千歳市と小樽市を結ぶ、総延長約80キロの「道央圏連絡道路」。
このうち道央道の江別東インターチェンジから南幌ランプまでの、7.3キロの区間「中樹林(なかじゅりん)道路」が、15日に開通しました。
全線開通までは、残り14.6キロです。
道央圏連絡道路に並行する国道は、市街地を通ることなどで農水産物の輸送に時間がかかっていましたが、新たな道路の開通で、物流拠点の新千歳空港や、苫小牧港、石狩湾新港へのアクセスが向上し、より迅速な輸送が可能になります。
「道央圏連絡道路」が通るエリアでは、次世代半導体の量産化を目指すラピダスの千歳市進出のほか、石狩市や苫小牧市の大規模データセンターなど、デジタル関連産業の集積が加速しています。
ラピダス 小池淳義社長
「シリコンバレー」に負けないバレーになっている。私どもは千歳で工場をつくるが、これだけでなく都市の連携を持って発展していく」
アメリカのシリコンバレーになぞらえ、ラピダスの小池社長が提唱しているのが「北海道バレー構想」です。
道央圏一帯をデジタル産業の拠点とする壮大な構想を実現するうえでも、新たに開通した道路には、重要な役割が期待されています。
また、企業誘致を進める沿線の自治体にとっても、追い風となっています。
南幌町地域振興係 前田洋佑係長
「石狩湾新港と苫小牧港をつなぐ高規格道路になるので、南幌町はちょうど中間の位置にあるので、物流の拠点としてアクセスのよさを生かして、関連企業の進出を期待しているところ」
空知の南幌町です。
町内2か所にある工業団地は、分譲率が100%に達していて、「道央圏連絡道路」の延伸を見据え、2026年10月の分譲開始を目指し、新たな工業団地の整備を進めています。
近年、南幌町内に進出する企業数は、増加傾向にあります。
2019年度以降は50社を超え、10年前から10社近く増えています。
新たな工業団地にも進出しようと、すでに複数の企業から問い合わせが寄せられているそうです。
南幌町地域振興係 前田洋佑係長
「データセンターやラピダスと関連の半導体関連産業の企業に積極的にアプローチして、南幌町の活性化につながっていけば」