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【すすきの首切断】『シンシア』『ルル―』など人格が入れ替わる瑠奈被告「妄想を否定するのは良くないと思っていた」母親・浩子被告(61)の7回目の裁判② 

2024年12月12日(木) 13時14分 更新

田村浩子被告(61)のスケッチ(12日 札幌地裁)
田村浩子被告(61)のスケッチ(12日 札幌地裁)

 2023年7月、札幌・すすきののホテルで首を切断された男性の遺体がみつかり、親子3人が逮捕・起訴された事件で、12日午前11時から母親の田村浩子被告(61)の7回目の裁判が開かれ、浩子被告への被告人質問が行われました。
◆「瑠奈は死んだ」
 瑠奈被告(30)が「瑠奈は死んだ」と言い始めたのは、「記憶では19歳から20歳にかけて」と話し、言い始めたきっかけについて、浩子被告は「直接かはわからないが、高校の同級生が卒業していくなか、教室に入れず卒業できないのを焦りに感じた。それで『座っていれば単位取れるのでは』と口に出してしまった。それを聞かれたのかも…。そのころから少し距離を置かれているような気がした」と説明しました。

12日の法廷内(札幌地裁)
 また、「姉の存在がいると聞かされて他にもいろんな人がいると。『どうしたのかな』…と思った」そして、瑠奈被告から『シンシア』など別の名前が出て来たり、何人か入れ替わっている感じがあり、『ルル―』『ベイビー』といった、話し方の違う男性も表れたということです。

◆『シンシア』はお姉さん、『ルルー』『ベイビー』は年下
 「『シンシア』は“お姉さん”で、瑠奈に何かあれば守るという強い存在。『ルル―』『ベイビー』は年下で甘えるような感じ。『シンシア』が現れたら『親子じゃない』と言われて」

 「最初はめまぐるしく変わっていた記憶。その都度、瑠奈被告から『私が誰だかわかる?』と聞かれ、間違って読んだら『違う』と激怒された」

 「『お嬢さん』と呼ぶようになったのは…娘の瑠奈が不安定になることがあるので、名前を呼ばないように便宜上考えた」

 また、男性から女性の人格に戻って「さっきのは怖い人」「大丈夫だから」と瑠奈被告が話したこともあったと述べました。

12日の法廷内(札幌地裁)
◆母親の浩子被告は「she」と呼ばれた
 また、瑠奈被告から、どう呼ばれていたかと聞かれた浩子被告は「中学のフリースクールの学校祭では、離れたところから『お母さん』と呼ばれて抱きつかれた。恐らく修被告被告も『お父さん』と呼ばれていた」が、その後、修被告(60)については「ドライバーさん」と呼んでいて、浩子被告については、「she」と呼ばれていたことを明かしました。

 また、「瑠奈被告の妄想を否定するのは良くないと思っていた」と、瑠奈被告の不安定なようすを声を振るわせながら話しました。

 「『瑠奈』と呼ぶと『瑠奈は死んだ』と言われる。娘は2月14日のバレンタインデーが誕生日なので、チョコレートケーキを渡したり、“香るもの”が好きなのでフレグランスや香水をあげたりした。ケーキのプレートは名前は瑠奈ではなくTo Youにしていた」

田村瑠奈被告
 また、瑠奈被告との日常のやりとりについては以下のように説明しました。

◆「舌にピアスを開けたい。舌を切ってスネークタンにしたい」
「インターネット上にあった全身ピアスの人の写真を見て、瑠奈被告が『舌にピアスを開けたい。舌を切ってスネークタンにしたい』と言われたときは、『舌っていうのは感覚が鋭くて、食事の時雑菌が入ってしまうよ』やんわり指摘をしたり、『タトゥーをいれたい』と言われた時は、やめてほしかったので『温泉入れなくなっちゃうよ』と言って指摘した」

「『ベランダで花火がしたい』と言われた時は『近所の人に花火だと勘違いされて通報されたり、消防車に放水されたら部屋の中にあるドールがびしょぬれになったりするよ』と話した」などと明らかにしました。

瑠奈被告の自宅(去年 札幌市厚別区)
◆家の中は瑠奈被告のものであふれる
逮捕時、足場がないくらい家の中にモノがあふれていたことについては、「『瑠奈は死んだ』と言われた時から瑠奈の荷物を移動させたりはしていたが、触ると怒られるようになったため、それも出来なくなりモノの上にモノが重なっていき、10年が経った」「家にある荷物はだいたい瑠奈のもので、娘はビーズのアクセサリーなど物を作るのが好きだったので、ビーズの天然石や持ち上げられないくらいの水晶やパワーストーンなどもあったし、古着にも興味が出て、袋詰めにした大量の古着を持って帰ってきたり、事件前には、ゲームセンターに行って商品を取って、その色違いも取ったり…とモノは増えていった」と説明。

「持っていることで娘のメンタルが安定していたので…」「娘の欲しいモノを持つことでメンタルを安定させていたので、強く『片付けなさい』とは言えず、どうしてもという時はやんわり伝えていた」と述べました。

家宅捜索(去年)
 そして、「毎日の不安の中で、家では出来るだけ楽しく暮らそうとした」ものの、瑠奈被告がいつ命を絶とうとするか…「わからないと思っていた」と不安な思いも話しました。

北海道ニュース24