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バケツリレーやスモーク迷路で防災意識を高める…子どもたちや住民と災害への危機感を共有し地域全体で取り組む『防災運動会』北海道木古内町で開催

2024年09月03日(火) 18時36分 更新

北海道南部の木古内町で少し変わった運動会が開かれました。
目指したのは「楽しさ」のなかで身に着ける防災知識です。

1日、木古内町で開かれた運動会。

ただの運動会ではありません。初めての「防災運動会」です。



普段使うことのない担架での搬送競争。



担架にのせた人の足を進む方向に向けることで恐怖心を和らげるなど、随所に「気づき」が隠されています。

バケツリレーでは「次で最後」といった正確な伝言が求められます。

この防災運動会は、木古内町で開かれた「防災教育フェス」の一コマです。

誰でも参加でき、公民館では12種類もの体験ができます。

こちらは「お化け屋敷」…ではなく、「スモーク迷路」。



火災で煙の立ち込める建物の中が、どれほど視界が悪いかを体験できます。

参加した子
「楽しかった。息しづらい」
「すごい見えない。本当に白くて」

さらに…。



子ども
「助けて~」

救助を求める叫び声の大きさを競うゲームです。

藤田忠士記者
「ここだよ!」

86デシベル。長いフレーズよりも短い言葉の方が大きな声を出せるといいます。

藤田忠士記者
「おーい!」



90デシベルで暫定1位でした。

「防災教育フェス」が開かれた背景には、災害に対する強い危機感がありました。



木古内町 鈴木慎也町長
「今の時代は、いつどこでどのような地震や災害が起きるかわからない。そういった危機感を子どもたちや住民と共有し、自分たちの命を守りながら、地域全体が防災力を上げていく取り組みが求められている」

これは木古内町が制作したCGです。



北海道が示した津波の浸水想定区域を基につくられていて、木古内町は最大9メートルの津波に襲われるとされています。

実体験が乏しい中、いかに防災に興味を持ってもらうか?そのヒントは、「楽しさ」にありました。



参加者「(コツは)リズムよくやること、力加減も同じでリズムよく」「自然と遊びを通して、身につけるのがいい」「子どもでもわかりやすくて、すごくためになると思った」

「楽しさ」の中で見つける「気づき」。

海に面した北海道南部のマチで、新たな防災教育が始まっています。