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【10月は値上げラッシュ】食品2911品目の価格がアップ 飲料水やチョコレート、納豆などが軒並み値上げ 背景には深刻なトラックドライバー不足も 一方で最低賃金が改定され北海道でもやっと“1000円”台に…働く人と雇用側の声は?

2024年09月30日(月) 19時31分 更新

10月、家計を直撃すする値上げの波が押し寄せます。

帝国データバンクの調べによりますと、10月に値上げされる食品は、2911品目。 9月に値上がりした品目数の2倍を超えます。



帝国データバンク情報統括部 飯島大介さん
「(10月は)今年4月を上回って、もっとも品目としては多い値上げラッシュ」

スーパーの買い物客は…。

50代男性客
「値段が上がっていって、自分らの給料も同じように、比例して上がっていってくれれば、生活していけると思うけれども」

30代女性客
「お菓子(の値上げ)は困る。家でお菓子作ることが多くなった」

10月からの食品の値上げラッシュを「もうひとホリ」します。

札幌市豊平区のスーパー、キテネ食品館で、10月から値上がりする商品を尋ねました。

キテネ食品館 中塚誠 社長
「こちらが飲料コーナー、ほぼほぼ各社がある程度一斉に、(値段を)上がってくるというのはここ最近ではなかった」



ペットボトル入りなどの飲料について、サントリー食品インターナショナルは、10月1日の出荷分から、6パーセントから32パーセント値上げ。

北海道コカ・コーラボトリングを5パーセントから19パーセント値上げします

仕入れ値が上がれば、店頭の価格も上げざるを得ないといいます

キテネ食品館 中塚誠 社長
「値上げ幅としては、10パーセントから15パーセントの間。極力、お客に安く買い求めできるような商品構成のラインナップをした形の棚作りをしていきたい」

そして、チョコレートも、また値上げへ…。

キテネ食品館 中塚誠社長
「チョコレートの日本の2大メーカーが、足並み揃えてくるという形になる」

「このガーナミルクチョコレートや明治ミルクチョコレートはちょっと前、2~3年前の話になりますが 100円くらいで買えていた」

すでに取材した日、消費税抜き130円前後になっていましたが、さらにメーカー側は、カカオの原産国の不作などを理由に、10月以降、チョコレート菓子を相次いで値上げします。

納豆も10月からメーカーが値上げするため、店頭価格で10円から15円上がることになりそうです。

帝国データバンクは、10月の食品値上げの傾向をこう分析します

帝国データバンク 情報統括部 飯島大介さん
「主にペットボトル飲料ですね。こちらの大手メーカーのほとんど全ての商品で、値上げになるというところですね」

「加工食品については、食肉大手の出荷品目でのソーセージハム製品が、一斉に値上げされるという状況になっています」

「共通しているのは、昨今のトラックドライバーの不足の問題のところもありまして“物流費”というのが、非常に大きく上昇してきています」

いま、スーパー側は、少しでも安く商品を提供しようと工夫しています。

キテネ食品館 中塚誠 社長
「この“うどん”は、餃子の皮の耳で作った生うどん(150g37円・39.96円)。(余った部分を)今までは廃棄していたが、改めて集めて練り直しで作った“うどん”になる」

「茹で上がりは“ツルモチ食感”で、大変美味しく出来ていて、なおかつ価格的にも安くできるという商品」



このほか、カタチが少し崩れた規格外の豆腐を仕入れ、安く販売するなど、店頭では、できる限りの努力が続けられています

堀啓知キャスター)
今年は、たびたびお伝えしている食品の値上げですが、ここに来て今年最大のラッシュを迎えることになるということですね。
がですか?

ここまでの値上げが相次いでいる主な要因としては、どんなことが考えられるんでしょうか?

堀内大輝アナウンサー)
帝国データバンクによりますと、値上げの要因として考えられることは、次のような点にとのことです。

◇《値上げラッシュの主な要因は?》
①《原材料費【92・7%】》

②《物流費【68・6%】》
いわゆる“2024年問題”で、今年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が制限され、その結果、輸送コストの上昇につながっています。

③《包装資材費【66・8%】》

いずれも食品には避けられないコストなわけですが、この先、値上げは、年末にかけて沈静化する見通しです。



堀啓知キャスター)
値上げの勢いが、今後、落ち着く見通しということを聞いて、少しほっとする思いもあるものの、やはり、消費者の収入が上昇しない限り、依然として。生活としては厳しい状況が続くのではないか、そうして心配が拭えませんが…。

堀内大輝アナウンサー)
明るい話もあります。

◇《最低賃金アップ》 



国が定める最低賃金が、10月から引き上げられます。これによって、北海道では【時給960円→1010円】になり50円アップします。

北海道でも、ようやく1000円の大台を超えることになります。

働く人、そして雇用する側、それぞれの声を聞きました



札幌市中央区の弁当店『はちわか』には、パート従業員が24人います。

時給は、すでに最低賃金以上になっていますが、人員確保のため、10月から全員の時給を50円以上アップします



仕出し弁当店『はちわか』 八若晋二 社長
「今回(最低賃金の時給が)50円上がりますよね。(時給を)50円上げたら、50円の経費がかかるので(弁当を)値上げしないといけない」

「(弁当に入れる)食品を削っても客は分かるので、またお客が居なくなる。うちの場合は、絶対にそこ(食品を削ること)は触らない」

一方、従業員の反応は…というと。

パート従業員
「嬉しい。主人が年金暮らしなので、少しでも足しになれば」

ただ、賃金が上がることで、こんな心配もあります

仕出し弁当店『はちわか』経理担当
「時給上がるのは、いいと思うんですけれど 時給上がることによって103万とか130万になっちゃうし、そうなると働きたくても働けない」

“年収の壁”を超えると、扶養から外れたり、社会保険料が発生したりするため、働く時間をセーブする人もでてきそうです

そうなると会社側には、減った分の労働力をどう確保するか、新たな悩みとなりかねません。

堀内大輝アナウンサー)
データを見る限りでは、給料の水準は上がっています。

◇《民間給与は過去10年で最高水準》

先週、国税庁が公表した調査結果では、民間企業で働く人の去年1年間の給与は【平均460万円】でした。

これは3年連続の増加で、過去10年で最も高い額となりました。



堀啓知キャスター)
この10年で一番暮らしが楽か…というと、そういう実感ないという方が、ほとんどではないかと思いますが、実態として、まだ物価の上昇に追いついていないのかもしれません。

物価が上昇しても、賃金の上昇とバランスが取れれば、景気は上向く。新たに国のリーダーになる人には。しっかり経済対策をやってほしいものです。