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海のない内陸の豪雪地帯・美唄産のウナギ 専門店も太鼓判…雪どけ水とデータセンターの排熱を利用「環境に負荷がかからない方法で、大事に育てる」

2024年07月11日(木) 18時40分 更新

ことしの土用の丑の日は今月24日と来月5日ですが、11日札幌市で、史上初めて北海道産のウナギを使った「うな重」がお披露目されました。

肉厚の身にまとうタレの香りがたまりません。札幌のうなぎ専門店「かど屋」のうな重です。

美唄市 桜井恒市長
「本州で食べるウナギと引けを取らない上品なうな重になっている」

試食した人
「やわらかくて脂もすごく乗っていておいしいウナギだと思っていただいた」

ウナギのブランド名は「雪うなぎ」。11日、試食会が開かれました。

前日に入荷したばかり。ピチピチの「雪うなぎ」のふるさとは?

札幌市から北へ60キロ。空知の美唄市にあるホワイトデータセンターです。

ホワイトデータセンター 本間弘達取締役
「平均すると200グラムぐらいのに育っています。出荷に結びつきそうだというところで安心しています」

この施設では、今年1月、人気が高い「ニホンウナギ」の養殖を始めました。しかし、まわりに海がない美唄市でウナギの養殖を可能にしたのは。

雪です。豪雪地帯のために除排雪の雪はたっぷり。この雪どけ水を濾過して隣接するデータセンターのコンピューターから発生する熱でウナギが好む30℃まで温めます。

そう、すべて「捨てられるモノ」で賄っているのです。

本間弘達取締役(1月)
「(雪解け水は)分子の粒が小さい。しみ込みやすいということは、ウナギにも栄養が入っていきやすいのではないかと」

これまで道内で流通する国産ウナギはすべて本州や九州産。新たな「道産ウナギ」の誕生に料理店も期待を寄せます。

かど屋 新道弘次 社長(1月)
「車で1時間の所で作っている人とつながって仕入れられるのは、私たちにとっては夢のような話しです」

本間弘達取締役(きのう)
「限られた資源のウナギですので大切に育てたいですし、育てるからには地球環境になるだけ負荷がかからない方法で、大事に育てたいと思います」

北海道産の「雪うなぎ」は17日から3日間、札幌の「かど屋」で味わうことができます。