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自閉症の息子に捧げた母の愛情を描いたドラマ&ドキュメンタリー映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』 ドラマパートの母親役はRSK山陽放送の小林章子アナ

2025年01月17日(金) 19時49分 更新

17日から札幌で注目の映画が公開されています。自閉症の男の子が母親の「知識ある愛」で成長していく物語です。

HBC北海道放送の系列局、RSK山陽放送が、創立70周年を記念して制作した映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』。


■自閉症のアーティスト“愛に満ちた”親子の物語
2歳で自閉症と診断されながら、のちに画家として活躍する石村嘉成さんと、我が子の将来を案じ、療育に身を捧げた亡き母、有希子さんとの、険しくも愛に満ちた日々をドラマと、ドキュメンタリーで描いた意欲作です。



17日から札幌で上映が始まり、舞台挨拶には、釧路出身の直木賞作家、桜木紫乃さんが登壇し、作品の魅力を語りました。

作家 桜木紫乃さん:
「深い深い悲しみの向こうにあるのが、光なんだということ。本当にたくさんの人に観てもらいたいし、ひかり物語とつけた意味がよくわかります」



映画は去年10月、物語の舞台、愛媛県新居浜市で封切られ、全国の映画館で好評上映中です。

■母親役を演じたのはRSK山陽放送小林章子アナウンサー
堀啓知キャスター)
自閉症の男の子と、家族の療育の日々を描いた映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』が、1月17日から札幌で公開されています。

この映画で母親役を演じた、岡山のRSK山陽放送、小林章子アナウンサーにスタジオに来ていただきました。

番組で映画の紹介をする時、監督が来ることが多いのですが、今回は主演俳優ということで、ゲストにお迎えしましたが、いかがでしょうか。



RSK小林章子アナウンサー)
女優ではなくて、一会社員なんですけれども(笑)

堀啓知キャスター)
それがびっくりしたんですよ。小林アナウンサーが、主演俳優として演じたんですよね。

RSK小林章子アナ)
そうなんですよ。

この映画の原案を担当した上司から、私が(実生活で)2児の母親として仕事をしているんですけれども、その母親としての経験を演技として生かしてみないか…、というお声がけでした。

まあ、びっくりしました。人生にこんなことって起こるのかな、みたいな。

堀啓知キャスター)
しかも、今回の映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』は、ドキュメンタリー部分とドラマの部分が、ひとつの作品として構成されているんですよね?

RSK小林章子アナ)
2019年に石村嘉成さんを(岡山の)ニュースで取材したことがきっかけだったんですけれども、石村嘉成さんの人柄が、すごく明るくて、前向きで、いつも頑張り続けることができる、そうした才能があるかたなんです。

その人柄に魅せられたことと、石村さんが描く作品がとても魅力的なんですね。

ぜひ、その石村嘉成さんの魅力を皆さんに知ってもらいたい、その画家として活躍されている背景には、お母さんの有希子さんが、懸命な療育を続けてこられたからこそ、いま画家として、花開いている、そのこともぜひ、お伝えしたいと考えました。

ただお母さんの有希子さんは、すでにお亡くなりになっているので、そこをドラマとして描いて、ドキュメンタリーと併せて、皆さんにお届けできたらと思い、製作した作品です。



■演技経験はゼロ「台詞を読むと、ナレーションに聞こえる」
森田絹子キャスター)
小林さんは、これまでに演技の経験はあったんでしょう?

RSK小林章子アナ)
まったくないんですよ。

台詞を読むと、全部ナレーションに聞こえるとか、朗読みたい、ニュースっぽいんだけれどとかの指摘があって、自分では自然に演技しているつもりなんですけれど、確かに映像を確認すると「おっ、ナレーションですよね」という感じで。

ただ、どうやってその癖を取るか、難しかったですね。それでプロの俳優さんに指導していただいて、少しずつ直していくというか…。

真逆だなと思いました、アナウンサーの仕事と。

アナウンサーって、そんなに感情の振れ幅がなく、お伝えすることが多いですけれども、演じる時は、その感情の振れ幅を大きくすることで、ただそれを表情や動作で伝えようとすると、かえって伝わりにくくなる。

だから、表情を出さないように、心を動かす、内面を動かすということを教えていただきました。



■石村嘉成さんのお母さんが大切にした“周りの人と接する”ということ
堀啓知キャスター)
この映画の中では、俳優の檀ふみさんと、竹下景子さんと共演していますよね。一緒に演じたんですよね、緊張しますよね?

RSK小林章子アナ)
そうなんです。檀ふみさんは、療育を導いてくださる療育センターの所長さんを演じて、竹下景子さんは小学校の校長先生という役どころで、私が演じた母親も、私の演技も導いてくれるみたいな位置づけだったのでした。

堀啓知キャスター)
この作品の主役で、のちに画家になった石村嘉成さんが、普通学級に入るために、小林さんが演じる母親と父親が、学校の校長先生に挨拶に行くシーンがありますが、その校長先生が竹下景子さんですよね。

そのシーンのやり取りが、とても印象的で『集団の力を信じたかった』という、普通学級に入って、石井さんのように自閉症がある子供も、障害や国籍、性別など様々な違いを超えて、同じ環境で学ぶ“インクルーシブ教育”という場で、学ばせたかったいうお母さん、お父さんの思いもあったんでしょうね。



RSK小林章子アナ)
療育は、母と子供で二人三脚のように進めていくところがあるんですが、それだけでは育たない部分が“集団の力”という、周りの人と接することで、どんどん成長が促される部分がある、ということを石村嘉成さんのお母さんは大切にされたと思います。

堀啓知キャスター)
改めてですが、この映画をどんな人たちに観てもらいたいとお考えですか。

RSK小林章子アナ)
自閉症の療育には、障害のあるなしにかかわらず、たくさんの学びがあります。

幼少期に適切な療育をすることは、障害のあるなしにかかわらず、みんなに共通する大切なことだと思います。

それを石村嘉成さんの母親の有希子さんは、たくさんの人に伝えたいと考えていたんですが、それが叶わずに、お亡くなりになったので、この映画を通じて、お母さまの想いを伝えることができたら…と思っています。



堀啓知キャスター)
映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』は、17日から札幌・狸小路にある映画館サツゲキで上映されています。ぜひご覧ください。

映画に出演した、RSK山陽放送の小林章子アナウンサーをゲストにお迎えしました。ありがとうございました。

北海道ニュース24