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バスも通る札幌の道路にあいた穴は深さ4メートル、最大で長さ11メートル、幅2.5メートルの巨大な空洞につながっていた 地下では何が起きていたか?

2025年03月03日(月) 20時13分 更新

2月26日、札幌市清田区で道路に穴があいているのが見つかりました。穴は80センチ×60センチの大きさでした。

ところが、この穴を調べると、深さが4メートルまで続いていて、下の部分は最大で長さ11メートル、幅2.5メートルの大きな空洞になっていました。
  
地下で何が起きていたのでしょうか?

穴が見つかったのは2月26日、札幌市清田区真栄の道道341号『真駒内御料札幌線』という通行量の多い道路です。

付近の住民
「バス通りなので、こわい」



札幌市などの現地調査で、穴の下にさらに大きな空洞があることがわかりました。しかし…。

札幌市建設局土木部 竹本新一 維持担当部長
「土砂の流出の痕跡も確認できないことから、現時点では原因については不明」

札幌市は原因不明としながらも、短期間のうちに同じような陥没が起きる可能性は低いとして、空洞を土砂で埋め戻し、2月28日から道路の通行を再開しました。



道路の陥没はなぜ起きたのか。どう対策すればいいのでしょうか。

堀内大輝記者
「清田区真栄3条2丁目の道道です。いまは雪で見えていませんが、穴は埋められ仮舗装されていて、いまでは車が普段通りに通れるようになっています」



この道路で穴が見つかったのは、今回が初めてではありません。

堀内大輝アナ
「今回の陥没現場から100メートルも離れていない道路でも、去年4月に片側2車線の道路のちょうど真ん中あたりが陥没しました」

2024年に見つかった穴も、今回同様2メートルほどの深さでしたが、穴ができた原因が特定できないまま、埋め戻されていました。



付近の住民
「(住んでから)もう40年も経っているけれど、最近になってから不安になってきたね」

(Q.今まではなかった?)
「なかった」

「(陥没が)ないことが一番だけれど、どうしようもないので。同じようなことはないと信じたい」

同じ道路で再び起きた今回の陥没。地下がどうなっていたのか調査で判明しました。



穴は地下2メートルほどのところから円錐状にひろがり、道路に沿って11メートルにも及ぶ空洞ができていました。

ここにあったはずの大量の土砂は、どこへ行ってしまったのか…?



堀内大輝アナ
「陥没した箇所の近くには、水が漏れる可能性のある下水道管などの構造物はありません」

「また20メートルほど離れたところを、厚別川(あつべつがわ)が流れていますが、こちらに流れ出たという痕跡も確認されていないということです」

今回の陥没の原因について、専門家は次のように指摘します。

北海道科学大学工学部亀山修一教授
「上の構造・舗装で保持していたんですけれども、持ちきれなくなって、そこのところから土砂、舗装の路盤材も含めて、舗装の材料が全部抜けてしまった」

「通常、寒い時期だと、アスファルトはまだ耐えられたのかもしれないけれど、ここ数日暖かいですから、アスファルトが柔らかくなって、それで耐えられなくなって、穴が開いたということだと思う」

「今のレーダーの点検車は1m以上の深いものは検知できない。技術的にまだ検知できないので、深い空洞はなかなか見つけることは難しい」



では、空洞になったことで、もともとあった土砂は、どこに消えてしまったのでしょうか。

北海道科学大学工学部亀山修一教授
「(土砂などが)無くなった分はほとんど100%水で流されたんだと思う」

「道路のところへ来ると、水は低い方に流れるので、たぶん川のほうに流れているのではないかとは思いますけれども、前回、同じところで起きたのと比べても、今回は(空洞が)非常に大きいということであれば、結果・原因はきちっと究明されることだろう」

堀啓知キャスター)
今回の道路陥没では、車の事故が起きたり、けが人が出たりしなかったことが幸いだったとはいえ、これだけ大きな空洞が、アスファルトの下に広がっていた原因については、わかっていないのが現状なんですね?

◇《巨大な空洞を調査した結果は…》

堀内大輝アナ)
今回の調査でわかったことについて、まとめます。

①空洞内に、土砂の流出につながる水道管からの水漏れや、下水道管のような構造物はありませんでした。

②空洞より数メートル下の深い場所に、新たな水道管を通す工事をしましたが、そこへの土砂流出は確認できていません。

③近くを流れる川にも、土砂が流出した痕跡は見つかっていません。

これほどの大きさの空洞ができるほど、大量の土砂がどこかへ流出したわけですが、それでも原因の究明は難しいものなのでしょうか?

◇《道路陥没の発生件数と原因に関するデータ》

道路の陥没は、全国で年間1万548件も見つかっています。

そして“なぜ陥没したのか”については、約半数の5641件が排水溝などの道路施設を原因としています。

次いで1787件が、地下の上下水道管などの道路占有物が陥没発生の原因となっています。

しかし、発生件数の2割弱、1795件については、陥没の原因が分からないままということです。



堀啓知キャスター)
原因がわからない中で、今後、札幌市はどう対応していくんでしょうか。

堀内大輝アナ)
まずは、陥没現場の周辺の監視を強化します。

・1日2回、目視での点検を実施。

・3月は2週間1回、道路にレーダー車を走らせて地下の空洞を調査。

・原因を特定するための検討委員会を設置。

とはえい、実際には行政の取り組みだけでは、すべてをカバーすることは難しく、やはり道路の監視には市民の目も大切です。

なにか異常に気づいたときは、道道・札幌市道は各区の土木センター、国道は北海道開発局へ連絡するようにお願いします。

北海道ニュース24