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【知床観光船事故】初弁論に桂田精一社長(61)出廷、請求棄却求める…乗客家族「自分が助かりたいとしか考えていない」「事故に向き合い反省して」

2025年03月13日(木) 18時21分 更新

2022年4月、北海道知床半島沖で起きた観光船沈没事故。

乗客の家族らが運航会社の桂田精一社長(61)と法廷で対面し、直接、責任を問いただしました。

・桂田精一社長(13日正午すぎ 札幌市中央区)
「(出廷する乗客家族への思いは?)…」

13日正午すぎ、札幌市中央区。沈没した観光船「KAZUⅠ」の運航会社の桂田精一社長(61)です。

無言でタクシーに乗り込んで向かった先は…。

石黒拓海記者
「桂田社長が札幌地裁へと入っていきます」



乗客乗員26人のうち20人が死亡、6人が行方不明となった観光船「KAZUⅠ」の沈没事故からまもなく3年。

乗客の家族ら29人が桂田社長と運航会社に対し、合わせておよそ15億円の損害賠償を求めた裁判が札幌地裁で始まりました。

乗客の家族らは安全統括管理者の桂田社長が安全のためのルールをことごとく無視し、安全管理上の注意義務に著しく違反していたとし、桂田社長と運航会社の責任を訴えています。



・長男と元妻が行方不明になった帯広在住の男性(3日)
「事件を起こした会社の社長であり、安全運航管理者でもある桂田社長が、私の責任がないと自分は悪くないという、ああいう態度がさらに被害者家族を本当に苦しめてるんですよ」

帯広市に住む男性は、今も、長男と元妻の行方が分かっていません。

・長男と元妻が行方不明になった帯広在住の男性(3日)
「桂田社長の口からちゃんとした説明を聞いていないので、今回の事件について、どう思っているのか。反省はしているのか」

事故の直後以来、乗客家族の前に姿を見せなかった桂田社長に直接責任を問うため、法廷に立つ決意をしました。

・長男と元妻が行方不明になった帯広在住の男性(13日)
「(法廷では)本当のことを話してほしい。自分が助かりたいとしか考えていないと思うんですよね、桂田社長は。きちんと自分の罪を認めて責任をとってほしい」



13日の初弁論に姿を見せた桂田社長。

意見陳述で帯広市の男性が「冷たい海水が迫る中、大人でも怖い状況なのに、7歳の息子は船体が傾く中で言い表せない恐怖だったと思う。桂田氏は恐怖や無念の気持ちをどう考えているのか」と涙ながらに述べると、桂田社長は終始うつむいた様子でその言葉に耳を傾けていました。



ただ、被告側は運航会社の責任について「損害賠償義務を負うことは争わない」としつつも、「出航の判断などについて、慰謝料増額の理由になる過失は認められない」と主張。






また、桂田社長本人については「船長の条件付き運航の判断に過失はなく、桂田社長が中止を指示すべき状況であったとも言えない」などとして「過失はない」と争う姿勢を見せました。

■裁判に出席した乗客の家族(13日午後6時)



乗客の家族
「(桂田社長に)自分の責任をしっかり果たしてほしい。桂田社長に真実を話してもらい罪に服してもらい、起こした事故についてきちんと向き合い反省していただきたい」

北海道ニュース24