水でむせる、飲み込めない…40代半ばから症状が現れる人も『オーラルフレイル』口の周りのケアを大切に【11月8日は「いい歯の日」】
2024年11月08日(金) 19時57分 更新
11月8日は語呂合わせでいい歯の日です。日本歯科医師会が決めた歯の健康の啓発活動を重点的におこなう日です。
きょうは、歯にまつわる「オーラルフレイル」という言葉を聞いたことがありますか?
60代
「なんでかぜをひいてないのにせきこむの…みたいな」
60代
「『ごっくん』と飲み込んだときに、気管に入りそうになるとか気になる」
70代
「口が乾くとか、むせるとか、頻繁ではないけれどある」
街の人たちが気になる症状、これは、オーラルフレイルかもしれませんよ?
札幌歯科医師会 木本恵美子 歯科衛生士
「(口の)筋肉が落ちることによって寝たきりにつながるというのが一番大きい」
いま注目される「口の健康」。何に注意したらいいのか、もうひとホリします。
フレイルとは、年齢や病気によって身体的・精神的な機能が衰え始めた状態のこと。家に閉じこもって、外出する機会が減るなど、誰かと話すことが少なくなることがきっかけで始まり、要介護状態の前段階とも言われています。
そんなフレイルの中でも、最初に現れるのが「オーラルフレイル」なんです!
フレイル予防講演会(2日 江別市)
「歯やお口周辺に起こる体の衰えた状態のことを言います」
先週、北海道江別市で行われたのは、口の周りの衰え=「オーラルフレイル」についての講演会。80人近くが参加しました。参加者は、自分が当てはまるかどうかのチェックや自宅でできる対策を体験しました。
参加者(70代)
「年齢とともに、そうなるとは聞いていたが(対策を)ひとつずつやりたいなと」
ここで、みなさんも、オーラルフレイルかチェックしてみましょう!
①自分の歯は、何本ありますか?取り外しできる入れ歯やインプラント治療した歯は、この数に入れません。19本以下の人はチェックです!
②半年前と比べて硬いものが食べにくくなりましたか?
③お茶や汁ものなどでむせることがありますか?
④口の渇きが気になりますか?
⑤普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがありますか?
5つの質問のうち、2つ以上当てはまったあなたは「オーラルフレイル」です!
40代半ばから症状が現れるという「オーラルフレイル」。歯科衛生士の木本恵美子さんは早くから口の中の「ケア」を意識することが大事だと話します。
札幌歯科医師会 木本恵美子 歯科衛生士
「40代半ばから手足の筋力の低下もだんだん気になると思うけれど、同じようなことが口腔周りの筋肉でも起こっている」
口の周りの健康に対する意識は、歯科検診率にも現れています。1年間で歯科検診を受けた人の割合は、北海道は41%、全国平均(58%)よりも低くなっています。
“歯磨き”の時の「うがい」や、“手洗い”と一緒にする、上を向いての「うがい」を、10秒ずつ意識して行うだけでも違ってくるそうです。
札幌歯科医師会 木本恵美子 歯科衛生士
「予防でしっかり機能をつけていくことが大事。今食べたり話したり笑ったりできるのであれば今の状態を維持することも大事」
おすすめの予防対策の1つがこちらです。「ぱたから体操」です。
唇を使って発音する「ぱ」、舌を使う「た」「ら」、喉の奥で音を出す「か」を、意識して発音します。
この体操は、食べ物を口に入れて飲み込むまでの動きを鍛えて食べこぼしや誤嚥の予防につながるということです。
見落としがちな口の健康に注意することが、全身の健康にもつながっていることを忘れずにいたいですね。