無許可で20年間運営の動物園「ノースサファリ」撤去計画に具体的な説明なし…動物たちの行き先に専門家“他の動物園に預けることは現実的でない”
2025年02月20日(木) 19時43分 更新
移転の方法、動物たちの行き先は…?本当に解決に向かうのでしょうか。
市街化調整区域に無許可で施設を建設して20年にわたって営業、札幌市が施設の撤去を求めている動物園、ノースサファリサッポロ。
・札幌市開発指導課 坪田修一課長
「すべての建築物を撤去するという形の計画書にはなっている」
2月18日、運営会社が札幌市にようやく提出した撤去計画書とはどういったものなのか。
HBCは関係者に取材し、その中身が見えてきました。書類は、5ページにまとめられたリストでした。
記載されていたのは、獣舎やコテージといった大まかな施設の名前と設置されているエリア、そして、撤去予定の年月だけ。
何の動物の獣舎なのかすら、わかりません。
計画では最終的に2029年12月までにすべての建物を撤去するとしていますが、どうやって移転や撤去をするのか。
さらに、500匹あまりいる動物たちの取り扱いをどうするのか。具体的な説明がまったくなかったのです。
動物たちの行き先について動物園経営に詳しい専門家は、ほかの動物園に一時的に預けることは現実的ではないと指摘します。
・帝京科学大学 アニマルサイエンス学科 佐渡友陽一 准教授
「動物園というのは、空きスペースがあれば埋めて客に提示するのが基本なので、空きスペースは本来的に多くない」
・帝京科学大学 アニマルサイエンス学科 佐渡友陽一 准教授
「買ってくれる人を探して売るほうが、物事をスピーディーに進めるには重要」
2025年、問題が明るみになる直前、ノースサファリサッポロの運営会社は経営悪化のため休業した静岡県の動物テーマパークの運営権を取得しました。
ただ、このテーマパークは鳥類とふれ合える施設で、ここへ動物を移すこともできないのではないかと専門家は話します。
・帝京科学大学 アニマルサイエンス学科 佐渡友陽一 准教授
「(ライオンなど)特定動物に関しては難しいと思う。もともとそういう動物を飼育していた施設ではないので」
運営会社は施設、そして動物たちをどうするつもりなのか。
札幌市は、計画書の内容を精査して対応を検討するとしていますが、先行きは不透明なままです。