北海道のニュースNews

アイコン北海道のニュースHokkaido News

北海道知床半島沖の観光船「KAZUⅠ」沈没事故 運航会社の桂田精一社長(61)を業務上過失致死などの容疑で逮捕 被害者弁護団「刑事責任を明らかにする上での大きな一歩」

2024年09月18日(水) 11時59分 更新

業務上過失致死などの容疑で逮捕された「知床遊覧船」社長・桂田精一容疑者(17日午前11時20分ごろ・網走海上保安署)
業務上過失致死などの容疑で逮捕された「知床遊覧船」社長・桂田精一容疑者(17日午前11時20分ごろ・網走海上保安署)

北海道の知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、海上保安庁は運航会社の桂田精一社長を18日午前、業務上過失致死などの容疑で逮捕しました。

18日午前11時20分ごろ、観光船「KAZUⅠ」を運航していた「知床遊覧船」社長の桂田精一容疑者61歳が、網走海上保安署に入りました。

捜査関係者によりますと、海上保安庁は、桂田精一容疑者を業務上過失致死などの容疑で、18日朝、逮捕しました。

この事故は、2022年4月、知床半島沖で乗客と乗員あわせて26人が乗った観光船「KAZUⅠ」が沈没し、乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明となったものです。

桂田精一容疑者(2023年4月)
国の運輸安全委員会は、沈没の原因は確実に閉まっていなかった甲板のハッチから海水が流入したためとしています。

閉まっていなかったハッチから海水が流入
第1管区海上保安本部は、桂田容疑者が運航に必要な注意を怠るなどして事故を起こしたとみて捜査しています。

網走海上保安署(17日午前)
この事故をめぐっては、2024年7月、乗客14人の家族など29人は運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長に対し、慰謝料など合わせて15億円の賠償を求め札幌地裁に提訴しています。

逮捕を受けて、被害者弁護団は、「桂田氏の刑事責任を明らかにする上での大きな一歩になると考えています」とコメントしています。

以下、被害者弁護団代表 山田廣弁護士のコメント

 本来あるべき運航管理体制、安全管理体制を欠いたまま船の運航を続けてきた桂田氏に対し、民事上の責任を取らせるだけでなく、刑事罰を科してほしいということが、船に乗っていた多くの被害者及びその家族の皆様の何よりの願いであると受け止めています。
 本日桂田氏が逮捕されたことは、本件についての桂田氏の刑事責任を明らかにする上での大きな一歩になると考えています。
 私たち弁護団としては、引き続き桂田氏に対する捜査や行方を見守りながら、民事、刑事両面において、ご家族の皆様に必要な法的支援を提供していく所存です。以上