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地元に愛されて1世紀 洋風どらやき『もんよう』がロングセラー 老舗洋菓子店が閉店 最後の日に密着

2025年03月25日(火) 16時40分 更新

地元で愛されて1世紀。

そんなマチの『お菓子屋さん』が25日で閉店しました。

多くのお客さんが訪れ甘い思い出にひたった1日を追いました。

北海道江別市の住宅街。線路沿いに1軒の洋菓子店があります。

『ジェイスイーツたしろ屋』です。



看板商品は洋風どらやきの『もんよう』。

しっとり生地にバタークリームと餡を挟んだ洋風のどら焼きは、全国菓子大博覧会で大賞を受賞したロングセラーです。



店の3代目、田代順一さん。

25日の営業を最後に店を閉じます。

ジェイスイーツたしろ屋 田代順一 社長(57)
「この仕事はとても体力が必要で、多くのスタッフに支えられてきたが、私には後継者がおらず体力の限界もあって…」



創業は大正11年。田代さんの祖父が和菓子店を開いたことに始まります。



洋菓子店に衣替えし、順一さんが創作した『とろける半熟プリン』は生クリームを通常の2倍以上使った自信作。

コクとなめらかな食感が特徴で、東京のデパートでも販売されるヒット商品になりました。

創業以来、お菓子はすべて手作りです。

しかしその『技』を伝える後継者がなく、また、長年酷使してきた体を傷めたこともあり、閉店を決断しました。



「桜もちのファンでした」

最後の営業日。

地元の人や店のファンが駆けつけました。お目当ては、あの看板商品です。

地元客
「子どもが小さいときから来ている。ケーキもおいしいけど、子どもは『もんよう』が好きで」



地元客
「買えるだけ買った。もっと『もんよう』がほしかった。後継者がいないということを知って、江別市もそういうときになったんだな」
閉店を知り、東京から帰省した人も。



東京から帰省した客
「子どものころから店に来てどら焼き(もんよう)を食べていた。楽しい思いをさせてもらい、ありがとうございました」

お菓子はすべて完売。最後の客を見送りました。



最後の客
「いつもおいしいケーキをありがとうございます」

ジェイスイーツたしろ屋 田代順一 社長(57)
「少し寂しく思いますけど、心苦しいが精いっぱい作らせてもらったので、ご了承いただければと思う」



1世紀にわたってみんなに幸せをくれたマチのお菓子屋さん。

おいしさと思い出を残し、静かにその歴史を終えました。

北海道ニュース24