【旧優生保護法】違憲判決受け17日補償法施行「やられたことはいつまでも心に残る」北海道内対象者3224人のうち氏名などの把握は3割
2025年01月17日(金) 18時13分 更新
旧優生保護法のもとで強制的に不妊手術を受けさせられた被害者に対する補償法が17日から施行され、北海道でも申請が始まりました。
札幌市に住む小島喜久夫さん83歳と妻の麗子さん82歳。17日、麗子さんの補償の申請のため道庁の窓口を訪れました。
小島喜久夫さん(83)
「妻も子どもができないできないと言っていたが、私はおたふく風邪だとごまかして」
喜久夫さんは19歳のころ、病院で精神障害と診断され、旧優生保護法のもと強制的に不妊手術を受けさせられました。
麗子さんと結婚した後も、不妊手術を受けたことを言い出せませんでした。
手術からおよそ60年。
喜久夫さんらは、憲法が保障する子どもを産み育てる権利を奪われたなどとして、国を提訴。
去年、最高裁が憲法違反と認め、国に損害賠償の支払いを命じました。
これを受け、国は不妊手術を強いられた本人に1500万円、配偶者に500万円を支給することなどを定めた「補償法」を制定し、17日施行されました。
小島さんの妻 麗子さん(82)
「気持ちは少しほっとしてる。今まで時間が長かったから、ほっとしている」
小島喜久夫さん(83)
「これからの法律を作ってくれたことは本当にうれしい。だけど本人にしてみれば、やられたことはいつまでも心に残るのではないか」
道内で旧優生保護法のもと強制不妊手術を受けた人は3224人。都道府県の中で最も多くなっています。
しかし、道が氏名や本籍を把握し補償対象であることを伝えられる可能性があるのはその3割にも満たない数字です。
小島喜久夫さん(83)
「年とったけども頑張ってね、これから楽しい暮らしをしたい。今でありがとうございました」
長年にわたって続いた国の過ち。そして被害者たちは救われるのか、償いは始まったばかりです。