棚をシェアする新たなスタイル「シェア型書店」がオープン…月々3300円の賃料で好きな書籍をラインナップ「偶然の出会いは本屋さんで」札幌市中央区
2025年02月05日(水) 13時04分 更新
2月1日の先週土曜日、札幌中心部に建つ、築50年の古びた建物の一角にあるお店がオープンしました。
・ぷらっとBOOK代表 星野恵さん
「(ここはなんのお店なんですか?)ちょっと変わった本屋さんなんです」
その名も「ぷらっとBOOK」。創成川と国道36号線に囲まれた二条市場からほど近い創成イーストエリアにあります。その特徴は…。
・ぷらっとBOOK代表 星野恵さん
「32センチ×32センチの大きさなんですけど、棚オーナーさんがここに書店を出されるので、(書店の)名前を決めてご自身で好きにプロデュースして本を並べていただきます」
「シェア型書店」と呼ばれる業態で、代表の星野さんが九州でのお店での出会いをきっかけに賛同する仲間と2年がかりで作り上げました。
120以上並ぶ棚。それぞれの棚にオーナーが店名を付けて、並べる本を選び、値付けも行うスタイルです。
◆月々3300円の賃料…並べる本を選ぶのも楽しい
棚オーナーは月々3300円の賃料を払い棚を借り、数か月に一度、店番の担当をします。
賃料は高くなりますが、遠方に住んでいる人などには店番のないプランも用意されています。
また、本が1冊売れるごとに100円が手数料として引かれます。
・棚オーナー 月館海斗さん
「本が家に100冊くらいあるので、家に置いておくのいいが、誰かに読んでもらったりとか、儲けることよりも僕もこの本を読んで助かったとか、この人の大ファンなのでこの人のこと知ってほしいとか」
飼っていたネコの名前を店名にしたのは馬場礼奈さん。
デコレーションした看板を棚に取り付けて完成です。
・棚オーナー 馬場美奈子さんと娘の礼奈さん
「娘と一緒にたくさん楽しませていただいた絵本を選んで、これはまだ大好きだから並べたくないとか、逆に家に置いておきたいとか、これは小さいお友達に読んでほしいとか2人で話しながら選ぶ時間もすごく楽しかった」
◆棚にあらわれるオーナーの個性
“本棚を見ればその人となりが分かる”とよく言いますが、酒に歴史、映画や健康など、個性のあらわれた棚が出来上がっていました。
ただ書店と言えば…。
・堀川一郎ディレクター(2022年)
「店頭には閉店を告げる張り紙があります」
全国の書店の数は、2005年には1万8000店を超えていましたが、約20年で半分近くに減ってしまいました。
札幌の中心部でもたびたび、マチの本屋の閉店がニュースになるなど、紙の本に触れる機会は確実に失われてきています。
・50代
「札幌駅とかも(本屋が)無くなってしまったので、最近はそれ(読書)もしなくなった」
・40代
「マンガはデジタル、雑誌は紙で読む。ちっちゃな本屋でもいいから通り道にあるといいな」
そんな中、新たに誕生した書店「ぷらっとBOOK」。まだまだ自分だけの“書店作り”をする棚オーナーを募集中です。
・ぷらっとBOOK代表 星野恵さん
「偶然の出会いは本屋さんでできると思っている。それが棚オーナーごとにプロデュースできる場所になるので、紙の本屋さんだからこその出会いがあるので、いろんな人が交わる交差点のような本屋さんになればと思う」