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国交省「安全確保を根底から覆す行為」JR貨物による車両の組み立てデータ改ざん問題は北海道室蘭の車両所でも309両 農作物の輸送を貨物列車に頼る生産者からは不安の声
2024年09月11日(水) 16時57分 更新
JR貨物が、北海道室蘭市の車両所などで組み立て作業のデータを改ざんしていた問題。
JR貨物は現在、すべての列車の運行を停止していて農産物の輸送を貨物列車に頼る北海道内では、生産者から不安の声があがっています。
時崎愛悠記者
「不正があったJR貨物の輪西車両所に、国交省の係官が立ち入り検査に入りました」
国交省が「鉄道輸送の安全確保を根底から覆す行為」と、強く非難したJR貨物の不正行為。
JR貨物は、室蘭市にある輪西車両所など全国3か所の車両所で、貨物列車の車輪と車軸をつなぐ作業の際、基準となる圧力よりも、強い圧力をかけて組み立てたにもかかわらず、基準内に収まるようにデータを改ざんしていました。
不正に組み立てられた車両は、全国で564両で、JR貨物が所有する全車両の約1割。
輪西車両所では、このうち半数を超える309両が造られていました。
JR貨物は現在、すべての列車の運行を止めて検査していますが、検査を終えるまで、輸送能力の大きな落ち込みは避けられない状況です。
北海道内の主な農産物の輸送を担う貨物列車。
タマネギの収穫がピークを迎える訓子府町では、農家から出荷の遅れを心配する声が上がっています。
雅楽川英行さん
「(代替輸送は)トラックに切り替えと思うが、早く再開してほしい。通常に戻ってほしい」
12日からは十勝産のジャガイモを運ぶ「ジャガイモ列車」が運行を始める予定だったJR貨物。収穫の喜びに水を差しています。