北海道のニュースNews

アイコン北海道のニュースHokkaido News

国内唯一“木のへら”生産の工場が北海道オホーツクのマチにあった!シラカバの原木から手間ひまかけて3日間 こだわりの製法を追った町の広報番組はコンテストで最優秀賞を受賞 北海道津別町

2024年09月10日(火) 18時40分 更新

北海道オホーツク地方の津別町に、アイスクリームに欠かせない“木のへら”を作り続ける、国内で唯一の工場があります。

安い海外産に負けない、こだわりがありました。



北海道網走市にあるカフェです。オホーツク海を眺めて味わえるソフトクリームが人気です。

北見から来た男性
「結構、甘じょっぱくておいしい」

その美味しさを引き立てるのが、この“木のへら”です。



北見から来た男性
「“へら”、めっちゃカワイイですね。温かみがある感じで…」

相田有加里記者
「林業が盛んな津別町には、国内でただ一つ、アイスクリーム用の“木のへら”を作る工場があります」



相富木材加工は1944年、住宅用の木工会社として創業しましたが、いまは食品用の串やアイスのへらの生産がメインです。



相富木材加工 土田京一 社長 (50)
「この地域にあるシラカバですね。色も白いし、味はしない、匂いもしないし、これ一択」

市場の9割以上を海外産が占める中、かつて、北海道内に10以上あった生産工場は相次ぎ撤退。

“へら”を作り続けるのは、国内でもここ、相富木材加工だけになりました。



長さ12センチほどの小さな“へら”ですが、シラカバの原木から、12もの工程を経て、3日間かけて作られます。

相富木材加工 土田京一 社長 (50)
「安心安全がこだわりで、国内製でないと困るという客もいるので、そういう人たちに求められる声は大きい」

そんな土田さんのもとに、うれしいニュースが…。工場を紹介した町の広報番組が、北海道内の映像コンテストで最優秀賞を受賞したのです。



受賞した津別町住民企画課 長岐佳樹さん(23)
「まさか、最優秀賞に届くとは思わなくて、より多くの人に津別町と、相富木材加工を知ってもらえてうれしい」



工場には、熟練の技術を知った、医療用品メーカーから多くの注文が寄せられています。

相富木材加工 土田京一 社長 (50)
「女性の子宮検診用。生命が誕生するところを検査するときに使うもの」「あぐらをかかずに“国産はいいな”と思ってもらえる物を作り続けていかなくては…」



オホーツクの大自然と、職人技が生んだ小さな“木のへら”が、全国で活躍しています。