「早く許可を出せ」営業許可を急かす運営会社社長、札幌市は“違法建築”と知りながら…“コロナ補助金”約2000万円も受け取る
2025年03月05日(水) 19時34分 更新
無許可での建築が問題となっている札幌市の動物園ノースサファリサッポロに札幌市がおよそ2000万円の補助金を交付していたことがわかりました。
法律を根拠に許可を出すよう迫る運営会社の姿も見えてきます。
札幌市がノースサファリサッポロの運営会社に交付していたのは、コロナ禍に伴う事業者への支援など5つの補助金あわせて1962万円です。
このうち867万円は、ホテルなどの宿泊料金を割り引く「サッポロ割」の補助金でした。
市の担当部署は、交付の理由について「違法建築は認識していたが宿泊業の営業許可が出ており、スピード感を重視した」としています。
許可が下りた背景に何があったのか。
宿泊事業の許認可を巡る市と運営会社とのやりとりから、その一端が見えてきます。
運営会社社長の発言
「旅館の許可を下すうえで、建築物かどうかなんて関係あるのか。建物の話が関係ないなら、早く許可を出せ」
HBCが情報公開請求で入手した文書によると、施設が撤去勧告を受けていることについて市も確認し運営会社の社長に伝えましたが、社長は営業許可を急ぐよう求めていました。
運営会社社長の発言
「正当な理由なく遅延させるのは、行政指導法違反だ」
正しくは「行政手続法」といいますが、1つの申請が審査中であることを理由に、ほかの審査を遅らせてはならないと定められています。
これを根拠に許可を急がせたのです。
結果として市は、違法建築と知りながら宿泊業の営業許可を出していました。
市の補助金を巡ってはこのほか、国から受給していた補助金のサポート補助金として運営会社に750万円が交付されていて、札幌市は国が返還を求める場合は同様の対応を取る方針です。