“ちょう”ではなく、愛着のある“まち”に変えてほしい!75年前に誕生した『水車町』の呼び方は…町内会が住民の署名付きで要望書を市に提出 札幌市豊平区
2025年02月27日(木) 18時48分 更新
札幌市豊平区の一部の住民たちが、住んでいる地域の名前を変更するよう、市に求めています。
歴史をひも解くと、問題のきっかけは70年以上前にさかのぼります。
札幌市豊平区で、町内会長を務める高橋恒夫さん(75)です。
旭水町内会 高橋恒夫会長
「水車が8戸くらいあったんですね。水車のある町というイメージがすごく強い、愛着があります」
「ここの信号が一番わかりやすい…“水車町Suisha-cho(すいしゃちょう)”と上からテープを貼ってるんですね」
(Q.かつては何て書かれていたんですか?)
「“水車町Suisyamachi(すいしゃまち)”と書かれていました」
この地域の行政上の呼び方は“水車町(すいしゃちょう)”です。
水車町(すいしゃちょう)は、1950年に新たに誕生しましたが、当時の公文書には“どう読むか”の読み仮名について、記載がありませんでした。
それから29年後の1979年に、地域を再編したときの公文書に、初めて“すいしゃちょう”との記載が登場しました。
このように読み仮名について、はっきりとした記載がなかった29年の間に、水車町の呼び方は『ちょう』と『まち』の2つが混在してしまったとみられます。
その名残が今も、とある名称に…、。
旭水町内会 高橋恒夫会長
「水車町(すいしゃまち)に長くお住まいで、昔から“水車町(すいしゃまち)郵便局となっています」
郵便局のほか“すいしゃまち”と読む、アパートの名前も地域にはあります。
地域の住民は『ちょう』と『まち』…いずれの呼び方を使っているのでしょうか?
(Q.ここは何町ですか?)
住民の男性
「“水車まち”。“まち”の方がいいでしょ。読みやすいでしょ」
住民の大学生
「自分の言い方は“水車まち”です。(旭小学校で)水車回っていたし」
水車町(すいしゃまち)への愛着が根強くあるようです。
2月27日、旭水町内会の高橋恒夫会長の姿が、札幌市役所にありました。
旭水町内会 高橋恒夫会長
「従来から慣れ親しんでいる水車町(すいしゃまち)の呼び名を尊重して、これの変更を求める」
読み方を『水車まち』に変えてほしい―。
高橋さんたち、水車町(すいしゃちょう)の2つの町内会は、住民1,060人分の署名とともに、札幌市に要望書を提出しました。
旭水町内会 高橋恒夫会長
「署名をしてくれた方々の熱い思いを署名と一緒にいただいているので、札幌市として“水車町(すいしゃまち)”に戻していただくように誠心誠意要望したい」
札幌市住民情報課 下澗聡 課長
「地域の方が慣れ親しんだ愛称を込めて、昔からの『水車まち』と呼ぶことは、間違っているとか、そういうことではない」
なぜ最初の文書に読みをふらなかったのか?
そして、どうして『すいしゃちょう』と読むことにしたのか、今となっては、札幌市にも記録が残っていないため分からないといいます。
地域愛があるゆえの今回の要望、札幌市も対応を協議する方針です。
森田絹子キャスター)
町名の読み方をめぐって要望書が出されるのは、札幌市では今回が初めてで、市は、内容を精査した上で、市議会の議題として取り扱うかどうか決めたいと話しています。
堀啓知キャスター)
地域の4分の1ほどの住民が署名に賛同したとのことで、慣れ親しんだ名前を使い続けたいという思いが伝わってきます。
要望書を受けて、市も協議はするということですから、その行方を今後も見守っていきたいと思います。