姿を見せた“宇宙港”ロケット発射台「ここにロケットが来るんだなとワクワク」完成予定2025年度、台湾系ベンチャーが来年打ち上げを目指す 北海道大樹町
2024年11月27日(水) 20時54分 更新
北海道十勝地方の大樹町で建設が進む、宇宙港(スペースポート)の内部が11月、公開されました。そして、次のロケットの打ち上げ時期も明らかになってきました。
畑の収穫も終わり、住宅の近くでもタンチョウが見られるようになった冬の大樹町です。
立ち入りが制限されている宇宙港(スペースポート)にカメラが入りました。見えてきたのは建設が進められている新しいロケット発射場「LCー1」です。
この日の見学会には大樹町民を中心に115人が参加しました。案内役は町長です。
大樹町 黒川豊 町長
「2025年度で完成する予定なんですけど、資材等々で若干苦労していると」
スペースポートの建設費は「23億円」。国の地方創生交付金と、企業版ふるさと納税が充てられます。
足場の組まれた鉄骨に注意しながら進み、一行が上がってきたのは煙道(えんどう)と呼ばれる施設です。11月のH3ロケットの打ち上げ映像でみると、煙道は、ちょうどこの写真の部分。
機体にダメージを与えないよう、煙道が大量の燃焼ガスを海側へ逃がしているのがわかります。
大輝町幹部
「ロケットから噴出されるガスは高温で2000℃以上になる。この躯体にダメージを与えてしまうと、高頻度の打ち上げが修理に取られてしまう」
ここから打ち上げられるのは、大樹町のインターステラテクノロジズ社が開発中の人工衛星搭載用のロケット「ZERO」。
高さ8メートルの煙道の上に32メートルのロケットが立ち上がると、その高さは、建物14階とほぼ同じです。
そして、煙道から見下ろすこの穴が、射点と呼ばれるロケットを打ち上げる場所になります。
参加者
「ここにロケットが来るんだなとワクワクしている」
「この子が大きくなるくらいには、もっと宇宙産業が広がっているのかなと思ったらすごく楽しみになりました」
完成予定は2025年度。ロケット「ZERO」の打ち上げは2026年度以降になります。
一方、調整が順調に進めば、大樹町で、2025年にも別のロケットの打ち上げが見られるかもしれません。
大樹町 黒川豊 町長
「(台湾のロケットはいつぐらいですか?)2025年の予定で準備をしたいと思っています」
2025年、大樹町からロケットの打ち上げを目指しているのは、石狩に本社を構える台湾系のロケットベンチャー「jt SPACE」。既に、スペースポートにはその発射場の整備も進められていました。
大樹町で、最後にロケットが打ち上げられたのは2021年7月。
2025年、またこの風景が見られることになりそうです。