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「ヤマトの人が大嫌いだから…」沖縄の写真家・石川真生(71)が撮り続けた人々の痛み「1ページでもいいから読んでみなよ、沖縄の人間が残した歴史書を」北海道東川町で訴える

2024年08月13日(火) 18時41分 更新

終戦から15日で79年です。半世紀にわたり沖縄県の人びとを撮影し続けてきた写真家が北海道東川町を訪れ、歴史に目を向けることの大切さを訴えました。

写真家 石川真生さん(71)
「ヤマト(日本)が生き延びるために戦争を長引かせて沖縄を台無しにした。どれほどの人間が死んでいるか」



79年前の沖縄戦の被害を訴えるのは沖縄県の写真家、石川真生さん71歳です。

今月3日、優れた写真家に贈られる「写真の町東川賞」の国内作家賞を受賞しました。

およそ半世紀にわたって沖縄県の人びとを撮影してきた石川さん。



沖縄戦の被害や基地問題を告発する創作写真も撮り、人々の痛みを伝えてきました。

写真家 石川真生さん(71)
「向こう側は普天間飛行場、米軍基地なんだけど、こちらは一つのお母さんの親類が持ってる土地。わざとここでやったんだよ普天間飛行場を取られているから」



本土の側が沖縄に対し、戦争や基地問題で大きな犠牲を強いてきたと厳しく批判します。

写真家 石川真生さん(71)
「私がヤマト(日本)の人が大嫌いだから、嫌いなんだよ実は…。ヤマト(日本)が戦争のとき、どんな方どれほど悪さしたか、助かるために沖縄は捨てられたんだよ」

日米合わせておよそ20万人が命を落とした沖縄戦。

北海道の出身者も沖縄県以外では最も多い、1万人あまりが戦死しました。

沖縄戦から79年。



北海道東部の矢臼別演習場では、沖縄の基地負担軽減の名のもと、アメリカ海兵隊と陸上自衛隊の共同訓練が毎年行われます。

そんな矢臼別演習場の真ん中で10日に行われたのは平和を願う盆踊りです。



演習場の中にあるこの土地は、2009年に亡くなった川瀬氾二さんが国に対する抗議のため守り続け、現在は川瀬さんの意思を継ぐ法人が所有しています。

川瀬さんは戦後の1952年、国の開拓事業に参加し、岐阜県から入植しました。



ところがその10年後、国は矢臼別で自衛隊の演習場計画を発表。

土地を買収したいという国の申し出に、川瀬さんは応じませんでした。

土地を守る活動に携わる 佐々木孝雄さん
「『俺はここにいたい』とすごく言ってました。土地買いに来ても応じなったし、なんぼ金積んでも行きたくないと」

盆踊りには全国からおよそ200人が集まり、土地を守った川瀬さんに思いをはせました。

盆踊り実行委員会 事務局 吉野宣和次長
「乱暴ですよね、入植させておいて、今度は演習場にして」



国の方針に翻弄されてきた歴史を持つ沖縄と北海道。

写真家 石川真生さん(71)
「私は興奮するんだよ、戦争の話になったら。うちの肉親だって死んでいるのだから。1ページでもいいから読んでみなよ、沖縄の人間が残した歴史書を」



戦争を繰り返さないためにも、石川さんは歴史に目を向けることの大切さを訴えています。