2025年『公示地価』住宅地上昇率全国1位は富良野北の峰町 商業地では『ラピダス効果』で千歳市が全国トップ3独占
2025年03月18日(火) 17時55分 更新
土地取引の目安となる『公示地価』が発表されました。
今年はどのマチが上昇したのでしょうか。
1平方メートルあたりの土地の価格を示す『公示地価』。
ここ最近は、インバウンドなどによる人流の回復が地価を押し上げています。
北海道不動産鑑定士協会 横山幹人 理事
「コロナ禍の影響は住宅地・商業地ともに、もうないと言ってもいいのではないか」
そんな中、突出して地価が上昇しているのは、やはりあのマチでした!
今年の北海道の平均変動率は縮小したものの、住宅地がプラス1.4%で7年連続の上昇。
商業地がプラス3.1%で10年連続で上昇しました。
住宅地で上昇率が最も高かったのは、外国人観光客で賑わう富良野市の『北の峰町』です。
1平方メートルあたり6万5000円、上昇率は31.3%で2年連続で全国1位の上昇率となっています。
北海道不動産鑑定士協会 横山幹人 理事
「ホテルとかコンドミニアムとか、土地の売買・開発用地の売買が見られるということで、需要が顕在化している」
その富良野市に続くのが、半導体特需に沸く、あのマチです。
馬場佑里香 記者
「国道36号から300メートルほど離れた、千歳市栄町です。上昇率は22.9%で、全国でも4位となっています」
「栄町2丁目」を含め、千歳市内の4地点が住宅地の上昇率トップ10にランクイン。
政府が巨額の資金をつぎ込む半導体企業、『ラピダス』の進出が大きく影響しています。
『ラピダス効果』は商業地でも。
馬場佑里香 記者
「商業地の上昇率で全道1位となったのは、JR千歳駅から600メートルほど離れた、飲食店などが並ぶ幸町です」
商業地で上昇率が最も高かったのは、「千歳市幸町3丁目」。
1平方メートルあたり12万8000円、上昇率は48.8%。
全国の上昇率トップ3を千歳市が独占しました。
北海道不動産鑑定士協会 横山幹人 理事
「ラピダスの影響はかなり千歳周辺に関しては大きいと思う」
「半導体関係の企業は、セキュリティもしっかりしているとか、そういう高いクオリティも求められているけども、なかなかそういうものに対応できるオフィスは千歳市にはないので、そういった需要があるのではないか」
■『ラピダス効果』 地元住民の反応は
千歳市民(60代)
「大きなビルができてくる。ホテルがすごく増えた。もうすぐ10万人都市になるので、なったらまた変化があるのかな」
(10代)
「コンビニの店数が増えたので、通いやすいなと思った」
(60代)
「(ラピダスの影響で)けっこうな人数がくるはずなので、そこら辺で町全体が潤っていけばいいのかなと」
『ラピダス』の進出でマチも大きく変化していますが、千歳市郊外の不動産会社は、住宅やオフィスの供給が追いつかないと話します。
リアル エステート溝 三溝邦雄 代表
「家を建てたい、マンションに入りたいといっても、すぐ埋まってしまう」
「郊外の方まではまだこないけど、まもなく土地がなくなってしまう。探しても空き事務所もないような状態」
■今年の北海道の上昇率トップ5(前年度比)
<住宅地>
1位:富良野市北の峰町 31.3%UP
2位:千歳市栄町2丁目 22.9%UP
3位:苫小牧市拓勇東町6丁目 14.8%UP
4位:千歳市花園5丁目 14.3%UP
5位:苫小牧市新開町1丁目 3.8%UP
<商業地>
1位:千歳市幸町3丁目 48.8%UP
2位:千歳市千代田町5丁目 42.9%UP
3位:千歳市錦町2丁目 36.8%UP
4位:千歳市信濃3丁目 22.6%UP
5位:札幌市中央区南6西4 20.0%UP
■千歳市の『ラピダス』周辺では賃貸価格が上昇
不動産情報サイトに掲載されている『ラピダス』周辺の賃貸物件の数です。
『ラピダス』の工事関係者などによる需要の高まりで空室が減り、2023年9月の着工以降、掲載数が減少しています。
2DK以上のファミリー向け物件の家賃相場は、2023年9月の『ラピダス』着工時は4万7000円程度でしたが、去年11月には11万円を超えて、2倍以上になっています。
既存物件の賃料も上昇していますが、新築物件の割合が増えていて賃料を押し上げているそうです。
■全国的に繁華街の地価が上昇
北海道不動産鑑定士協会の横山理事によりますと、札幌のススキノや、大阪の道頓堀、福岡の中州など全国的に「繁華街」の地価が上昇しているということです。
ススキノは、『ココノススキノ』ができたことで来訪者が増え、地価上昇につながったということです。