“日本一危険な動物園”で知られる民間動物園 無許可で施設を建設して20年 札幌市が繰り返し指導するも是正されず、事実上の“閉園命令”検討へ
2025年02月03日(月) 19時17分 更新
迫力の餌やり体験などで知られる、札幌市南区の民間動物園『ノースサファリサッポロ』。
“日本一キケンな動物園”とも呼ばれるこの施設。
札幌市は、建物を建築できない『市街化調整区域』に無許可で施設を建設したとして、法律に基づく施設の『除却命令』を検討していることがわかりました。
命令が出された場合、運営会社は、施設のすべて取り壊し、更地にする義務を負うため、事実上“閉園”に追い込まれる可能性があります。
『ノースサファリサッポロ』は、2005年に開業し、約150種の動物を飼育する民間の動物園です。
札幌市によりますと、開業前の2004年10月、パトロールで無許可で施設が建てられているのを見つけて以来、運営会社に複数回、口頭や勧告書で、施設の“除却”を指導しました。
しかし、会社側は「わかりました」と答えるものの、状況が是正されることはなく、この20年で施設が拡大したというのです。
中原達也記者
「きょう(3日)は、平日ということで、スノーモービルなどアクティビティのみの営業なのですが、朝から多くの観光客で賑わっています」
いまでは、札幌の定山渓エリアで、数少ない家族向けレジャー施設として、定着しています。
札幌から
「温泉入ったあとに、ここに来る。ここにしか行くところがないから」
埼玉から
「(営業を)20年も続けてきているのであれば、存続できる方法を行政も一緒になって、考えるのが一番ではないか」
中国から
「雪や犬ぞりで遊ぶことが楽しみです」
この間、札幌市は、運営会社に動物園の営業に必要な届け出の受理や、付随する飲食店や宿泊施設の営業許可を出しています。
長年、営業を続けている施設に一転、取り壊しを「命令」できるのでしょうか。
元裁判官で、行政訴訟の経験もある内田健太弁護士は…。
内田健太弁護士
「(営業)期間がたっているという理由だけで「除却命令」ができなくなるということはないが、(札幌市と運営会社の)協議の中で、会社側が「このまま(営業を)続けていけるのではないか」と信頼するような言動を市側がしていた事情がある場合、除却命令が制限されることもありうると思う」
園の運営会社は、3日午後「去年12月に問題の解消のための計画書を市に提出している」「市の再三の指導を無視したかのような報道に困惑している」とのコメントを発表しました。