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被災地の“将来”支えるDMAT(医療体制支援)とDPAT(精神科医療支援)災害時のストレスケアへ…体制整備が課題

2025年03月13日(木) 17時32分 更新

 2024年1月、石川県珠洲市の総合病院です。別の病院に運ぶため患者を救急車に乗せます。

被災地の病院に支援に入ったのは、札幌市にある手稲渓仁会病院の災害派遣医療チーム=DMATです。



DMATは、専門的な研修や訓練を受けた医師と看護師、それに事務員で構成され、災害が発生した際に被災地の医療体制の支援にあたります。



手稲渓仁会病院 桑村直樹看護師
「病院機能がほとんど停滞していたり職員も被災している中で、どう医療体制を整えていくかというところで支援に入った」



北海道内では、手稲渓仁会病院をはじめ、37の指定医療機関にDMATがあります。



DMATの活動範囲は、負傷者の応急処置などの医療支援だけではないといいます。



手稲渓仁会病院救急救命センター 大西新介医師
「例えば自宅にいる人たちが本当に健康で過ごせているかという保健的な視点であったり、医療・保健・介護の3つが強調して動かなければいけない」

災害時に、いち早く駆けつけ、被災地の医療体制を支援して守るDMAT。



その活動は目の前の、患者を助けるのはもちろんのこと被災地の将来にも大きく関わっていると話します。



手稲渓仁会病院救命救急センター 岡本博之医師
「病院施設がつぶれると被災地の医療インフラがなくなるので、最終的にはまちがなくなってしまうことにつながる。元々地元で一生をとげたいと思っている人にとっては非常に不幸であると」

《精神科医療の支援にあたるDPAT》
災害時に被災地に入る医療チームはDMATだけではありません。DPATとは、災害派遣精神医療チームの略です。

DPATは、精神科医や看護師、精神保健福祉士などで構成され、被災者のストレスや精神的なダメージを和らげたり専門性の高い精神科医療などの支援にあたります。

災害時のストレスは、「目に見えない」ものなので心のケアという独特の難しさがありますね。



DMATとともにその役割は、なくてはならない存在ですが、体制の整備がまだ十分ではないのが課題です。

北海道ニュース24