ちょっとした“仕掛け”で自転車の盗難防止へ 人の行動を変える「仕掛学」とは 北海道では自転車の盗難件数が年間5000件超
2025年04月18日(金) 16時58分 更新
本格的な自転車シーズンを迎え、注意しなければいけないのが盗難被害です。その被害をある面白い「仕掛け」で防ごうという取り組みが行われています。
18日朝のJR滝川駅前の駐輪場です。
警察官が自転車に何やら取り付けています。
よく見てみると…。
村田峰史 カメラマン
「自転車に取り付けられたタグには、犯罪心理学実験Cと書かれています」
さらに、こんな文言も。
「このタグは無施錠の自転車を盗難から守るためのお守りです」
これは、人の行動を変える「仕掛け」を研究する学問=仕掛学の理論を使った盗難被害防止の取り組み。
このタグを見ることで、「自転車のカギをかける」という行動に移してもらう狙いがあります。
学生
「見たことないです。これついていたら怖いなって思います」
「もし自分が盗もうとしている側だったら、やめようかなという気持ちになる」
雪解けとともに、その件数も増える自転車の盗難。
2024年に起きた5150件のうち、カギがかかっていない自転車が盗まれたのは6割近くに上りました。
滝川警察署 生活安全課 山形彰寿さん
「意味深な言葉を書くことによって、盗もうとした人が怪しいなと犯行を思いとどまる。これをやることによって、少しでも自転車盗難が減って、皆さんにツーロック、カギをかけてもらえれば」
「仕掛け」で防犯意識は高まるか。少しの工夫で大きな効果が期待されています。
■「仕掛学」とは
大阪大学の松村真宏教授が提唱する学問で、仕掛けによって様々な問題を自ら進んで解決する社会の実現を目指すものです。
例えば、ゴミ箱の上にバスケットゴールをつけると、利用者が1.6倍に増えたという実験結果があります。
イタリア・ローマの彫刻「真実の口」の模型の中に消毒液をセットしたものでは、利用者が10倍以上になったということです。