【SDGs QUESTみらい甲子園】高校生が社会課題を解決するアイデアを発表…静内農業高校は桜の廃枝を燻製チップに 浦河高校はインド人の子どもに絵本を
2025年03月19日(水) 19時54分 更新
持続可能な未来のために、高校生が社会課題解決に向けたアイデアを発表する「SDGsQUESTみらい甲子園」。
3月20日に行われる北海道大会のファイナルを前に、注目のチームを紹介します。
2000本を超える桜が沿道に咲き誇る桜の名所、日高の新ひだか町、二十間道路の桜並木です。
静内農業高校の2年生の3人が取り組んでいるのは、二十間道路の桜の木の枝を使った燻製用チップの開発です。
静内農業高校(2年) 松本彩楓さん
「学校行事で(桜並木の)清掃ボランティアをしたとき、(地域の人に)これもごみじゃない?って言われて…」
静内農業高校(2年) 松本彩楓さん
「桜の枝も大切にしているものなのに、その現状をどうにかしたいと思って」
桜の剪定などにより、町内では毎年32トンもの枝が廃棄されています。
3人は、この枝を有効利用しようと、森林組合の協力やアウトドアメーカーのアドバイスも受けながら、研究を重ねてきました。
1年をかけて開発した桜の燻製チップは、一般的なチップよりも細かくすることで、燃焼効率を上げるとともに燻製の薫りをムラなく付けることができるようになりました。
高校で作っているゴーダチーズを、桜のチップで燻製して学校内で販売すると同級生に大好評でした。
静内農業高校(2年) 林聖奈さん
「新ひだか町の宝を使って作ってきたものなので、町の宝はこんなものがあると伝えていきたい」
4月末からの「静内さくらまつり」では、桜の燻製チップの試作品を提供する予定です。
となり町の浦河高校の生徒たちも、自分たちが住むマチの課題に取り組んでいます。
日本有数の馬産地・浦河町。牧場での働き手としてインド人を受け入れていて、定住者は約300人に増えています。
こうした中、マチでこんな光景を度々、目にしました。
浦河高校(2年) 鹿糠澤梨乃さん
「(インド人が)店員や客とコミュニケーションが取れなくて、困っている場面を見かけることが増えた」
“どうしたら日本語をもっと知ってもらえるか?”
2年生の6人が着目したのは、日本の“絵本文化”です。
普段は町民とふれあうことが少ないインド人の子どもたちにも、絵本なら日本語を伝えられると考えたのです。
マチの人たちにも協力してもらい、絵本をインドで使われるヒンディー語や英語に翻訳し、手作りの翻訳絵本が完成しました。
絵本は図書館に寄贈し、高校生がインド人の子どもたちに、読み聞かせ会を行いました。
浦河高校(2年) 鹿糠澤梨乃さん
「次はお父さんお母さんが、子どもに読み聞かせできる環境をつくりたい」
一方で、高校生たちはヒンディー語について学び、お互いの言葉を知ることで理解を深めようとしています。