「彼女がなぜいない」「学校でいやなことが」図書館に中高生のための質問箱…相手の熱量に合わせユーモアとやさしさにじませ600通以上回答 北海道斜里町
2025年04月07日(月) 20時10分 更新
北海道、知床の図書館に中高生のための質問箱があります。「図書館の人」からの回答はユーモアにあふれています。
貴田岡結衣記者(紀伊國屋書店札幌本店 7日)
「入り口近くの棚に並ぶのは、こちら北海道が舞台となった、話題の本です」
先月、発売された本。『図書館のゆるゆる人生質問箱』。
恋愛や進路…中高生の様々な悩みへの回答が1冊の本にまとまりました。
舞台となったのは、知床半島の町・斜里町にある町立図書館です。
・書き込みの相談
「最近、学校でいやなことがありました」
・図書館の人が回答
「リュックに猫を仕込むのはどうでしょう?皆ハッピー」
大人と子どものはざま=ヤングアダルトの中高生から匿名で相談を受け付け、「図書館の人」が回答する「YAコミュ板」です。
おととし、図書館に若者たちをもっと呼び込もうと設置されました。
今まで図書館の人が回答した質問は600通以上にのぼります。
・斜里町立図書館 松井卓哉館長
「できるだけ文字から相手の熱量を感じて、それに合わせた答えをしていきたいと思っている。なので真剣な質問には、真剣に答えるし、他愛のない雑談のような質問であれば、こちらも軽めに答えていく」
回答にはユーモアとやさしさが光ります。
・女子中学生の書き込み
「ビーバー書いてください」
回答欄には、お笑い芸人のバービーさんの絵。
・男子中学生の書き込み
「私には彼女がなぜいないの?理由を教えてください」
・図書館の人の回答
「あなたが女子だったら、あなたと付き合いたいですか?それが理由のヒントになるかもしれません」
この図書館は「正解はひとつとは限らない」と教えてくれる場所です。
・斜里町立図書館 松井卓哉館長
「『図書館の人はこう思うよ』と答えていく。自分の思いも正解だし、いろんな考えがあると感じてもらえたらうれしい」
中高生への回答には、大人たちもはっとさせられる言葉があります。
・女子
「将来なりたいものは、いつまでに決めたらいいですか?」
・図書館の人の回答
「将来とはいつのことを指しているでしょうか。大切なのはいくつになっても「将来」を思い描いてみる姿勢を失わないことです。そしてその「将来」が変化していくことを楽しむことが肝要だと思います」