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「先生に嫌われるタイプ」「ADHD的な面もあり」など、中学1年生267人の個人情報流出で保護者説明会…すでに2000万回近く閲覧、市教委の出席なく疑問、撮影やSNSに上げた生徒らに謝罪求める厳しい声

2024年06月20日(木) 11時03分 更新

SNS上に流出したとみられる中学1年生の個人情報
SNS上に流出したとみられる中学1年生の個人情報

 4月上旬、札幌市北区の中学校で、女性教諭が生徒の個人情報が書かれた書類を紛失し、個人情報がSNS上に流出したとみられる問題を受け、19日夜、中学校で、保護者への説明会が開かれました。

 札幌市教育委員会によりますと、4月10日、札幌市立あいの里東中学校で、女性教諭が1年生267人の名前や性格、交友関係、家庭環境などが書かれた書類を体育館に置き忘れました。

女性教諭が紛失、SNS上に流出したとみられる書類
 書類には、生徒に関するコメントとして「母うるさい」「社会性に欠ける」「先生に嫌われるタイプ」「ADHD的な面もあり(診断なし)」「女友だちが多い。LGBTQかも?」などと書き込まれていました。

SNS上に流出したとみられる中学1年生の個人情報
 この書類が8日後に見つかるまでの間、十数人の生徒が内容を見ただけでなく、何人かがスマートフォンで撮影。

札幌市教委の会見
 市教委は当初「流出は確認されていない」という見解を示していましたが、6月に入り、紛失した書類とみられる画像がSNSに投稿されていたことが判明しました。

「流出は確認されていない」⇒「否定できない」
 投稿は6日に削除されましたが、すでに2000万回近く閲覧されていて、画像が本物である可能性について、市教委が「否定できない」とコメントしたことなどを受け、校長が校内放送などで生徒に謝罪。

19日夜、非公開で保護者説明会
 さらに19日夜、保護者説明会が非公開で開かれ、出席した保護者によりますと、校長が「本当に申し訳ない」とくり返し謝罪しました。

書類を撮影、データ受け取りの生徒特定し、データは全て消去と説明
 その上で、書類を撮影したり、そのデータを受け取ったりした生徒の特定はできていて、データは全て消去されたと説明。

SNS上に流出したとみられる中学1年生の個人情報
 これに対し、保護者からは「撮影した生徒、流出させた生徒に謝罪させるべきだ」などの声も上がっていたということです。

SNS上に流出したとみられる中学1年生の個人情報
 説明会後、取材に応じた保護者は「知ってること全部、言っているとは思えなかったけど、流出させた生徒の特定もできてるみたいですね。親も含めて謝らせるべきだとは思います」と、納得いかない表情。

 別の保護者は「ネットに流出、スマホで撮影、書類の置き忘れ、全て問題だが、一番は、こういった機密資料が持ち出せる状態にあったこと。ルールが徹底されてなかったこと」と、指摘しました。

 また、別の保護者は「教育委員会から1人も来てなかったことにビックリ!内容も(ビックリ!)小学校から元々入ってきたものを写してたのか、それとも中学校で、ある程度まとめたものを書いているのか?学校としても教育委員会としても、今までの前例の中での対応ではなく、新たな考え方を導入して、同じ問題を起こさないように努力していくべき」と、話していました。

 一方、20日午後、あらためて会見した市教委は、書類を撮影した生徒が他校を含む他の生徒に共有したことで、SNSに流出したとみられると説明。

 生徒などの情報が不適切な表現で書かれていたことについては「表現に配慮が欠ける記載だった。『低学力』『だらしない』『まじめすぎる』『親うるさい』など。生徒たちへの配慮という気持ちが少し薄かったのではないかなと思います」と話しました。

 その上で、各学校に対し、個人情報の管理の徹底、内部文書であっても人権に配慮した適切な記載をするよう指導し、校長や書類を紛失した教諭の処分を検討しています。