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物価高騰で銭湯が苦境 現在490円の入浴料金を値上げへ…利用者負担増に組合側も複雑「サービス業にいる立場としてどうなんだろう」
2024年07月09日(火) 19時22分 更新
物価高に伴って2年連続で上昇している銭湯など公衆浴場の料金ですが、今年も値上げする方向で審議が始まりました。
道保健福祉部食品衛生課 佐藤吾郎 課長
「長引く物価高騰の現状が公衆浴場業界にも引き続き大きな影響を与えている」
公衆浴場の入浴料金を話し合う審議会は、道内の公衆浴場の経営者や利用者らが参加し料金の見直しなどが必要な際に開かれます。
公衆浴場の入浴料金は、国の「物価統制令」により各都道府県知事が上限を決めます。
日常的に利用しやすい価格に統一し、市民に衛生面で必要なサービスを提供する目的です。
こちらは平成以降の道内の入浴料金の推移です。
1989年、平成元年には280円でしたが、物価高騰や利用者の減少を背景に上昇が続いていて、現在は490円となっています。
道の調べでは物価高騰などで公衆浴場の経営は厳しい状態が続いていて、審議会は3年連続の値上げを検討します。
経営者の1人は値上げを求めながらも、利用者の負担が増えることに複雑な思いを抱いています。
北海道公衆浴場業生活衛生同業組合 小西廣幸 理事長
「果たしてサービス業の一環の中にいる立場としてどうなんだろうかというのは、それぞれの経営者が懸念しているところ」
審議会は8月上旬にも道への答申をまとめ、実際の入浴料金には10月ごろに反映される見通しです。