世界自然遺産知床の携帯電話基地局整備 一部地区では自然環境への影響懸念で計画中止も今後は不透明 別地区では「景観を損ねないよう綿密な調査が必要だ」と専門家らが指摘
2025年03月05日(水) 17時39分 更新
北海道知床半島での観光船沈没事故を受けて進められてきた知床半島での携帯電話の基地局整備。
今後どうなるのか、専門家らの会合が開かれました。
観光船沈没事故を受け、国は携帯電話の圏外を解消するため、知床半島に新たに4か所の基地局を設置する計画を進めてきました。
このうち知床半島先端部の知床岬地区については、去年10月、専門家や地元の斜里町から、自然環境への影響を懸念する意見が相次ぎ、「地元の合意が失われている」として計画は中止されています。
専門家らで構成し、関係機関に助言を行う「知床世界自然遺産地域科学委員会」は、5日札幌市で会合を開き、設置の要望がある半島の羅臼町側・ニカリウス地区について、今年の環境調査の計画の概要が報告されました。
植物やオジロワシに関するものなど、調査は5月から8月ごろまで行われる予定ですが、委員からは「発電用の太陽光パネルの規模が大きくなるので、景観を損ねないよう綿密な調査が必要だ」などの意見が出されました。
一方、知床岬地区に関しては話し合われず、中止されている計画の議論の行方は不透明なままです。