【JR北海道】函館線で除雪作業員が安全確認せずに作業 宗谷線でも承認なく車両走行…トラブル相次ぎ北海道運輸局が指導
2025年03月01日(土) 12時51分 更新
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去年12月から今年1月にかけて、北海道のJR函館線と宗谷線で、JR北海道の除雪作業員らが輸送指令の承認を得ず、安全確認を怠り、線路の除雪作業するなどトラブルが相次いでいたことがわかりました。
JR北海道によりますと、去年12月18日の早朝、北海道南部の八雲町にあるJR函館線の信号施設で、貨物列車が走行している時間帯にもかかわらず、複数の除雪作業員が輸送指令の承認や施設を管理する八雲駅への安全確認をせずに、除雪作業していたということです。
関係者によりますと、当時、輸送指令は主任作業員に対し「現場付近を通過する貨物列車が予定より遅れて走行しているので、八雲駅に確認を取ること」を指示しましたが、八雲駅の担当者が不在で、主任作業員は「承認をもらえた」と思い込み、除雪作業を始めたということです。
作業を終えた主任作業員が、輸送指令に、作業終了の連絡をしたところ、承認をしていないことを指摘され、打ち合わせなく作業していたことが発覚しました。
このトラブルによる、けが人はありません。
この施設には、列車の接近を知らせる警報装置がありますが、貨物列車が遅れを取り戻し、予定通りに現場を通過していた場合、事故につながる可能性がありました。
また、今年1月10日には、稚内市のJR宗谷線南稚内駅のJR職員が、列車の運行を管理する名寄駅の承認を得ずに、兜沼(かぶとぬま)駅の方向に除雪車両を走らせていました。
関係者によりますと、除雪作業は単線区間で行われていましたが、JR北海道のルールでは、原則として1つの区間に、複数の列車が同時に入ることを禁じていて、今回のトラブルでは、指令の承認を得ないまま、線路が開放された状態になり、列車が進入できる状態だったということです。
当時、大雪のため旅客列車が全便運休していて、結果的に事故は起きませんでした。
北海道運輸局は2月25日、JR北海道に対して、これらのトラブルの原因究明と再発防止の対策を講じるよう指導しました。
JR北海道は「社内教育を徹底し、再発防止に努める」とコメントしています。