誰でもなりうる“認知症”当事者に見える景色を理解して…『認知症世界の歩き方』著者が筧祐介さんが講演「患者が生きている世界は周りから全く見えない」
2025年04月04日(金) 20時40分 更新
5人に1人が65歳以上の日本で今、増え続けているのが認知症です。北海道内も例外ではなく、あなたの大切な人が認知症とともに生きる時代が始まっています。
◆『認知症世界の歩き方』著者が札幌で講演
3月、札幌市で開かれた講演会です。
・講演会(3月・札幌市中央区)
「ご飯を食べに行こうと乗ったバス。しかし、しばらくすると、どこへ向かうのか?自分が、なぜバスに乗ったのか?そもそも、どこから来たのか?わからなくなってしまう、正にミステリーバスです」
これは、認知症のある人の頭の中で起きていること。
制作したのは、慶応大学大学院の特任教授で、作家の筧祐介さんです。
・筧祐介さん
「認知症の本人が生きている世界、見えている景色が脳のトラブルによって、周りから全くみえない。この世界の乖離が認知症に対する偏見を作り上げている」
認知症のある人を世界を、誰でもわかりやすく、身近に感じて欲しい。
そんな思いでまとめたのが、旅行ガイドのような「認知症世界の歩き方」です。
・『認知症世界の歩き方』
「気持ちの良いはずの露天風呂。しかし、突然ビリビリ感じたり、極端に熱く感じたり、冷たく感じたり。やがて、風呂に入ることがイヤになってしまう、まるで七変化温泉です」
◆2050年度には高齢者の7人に1人が認知症という試算も
札幌市で、認知症と診断された65歳以上の人数は約6万人。
高齢者の「9人に1人」の割合で、2050年度には「7人に1人」に増えると予想されます。
・講演会の参加者
「本人がこうしなきゃと思っているのを無理やり止められたりして、止めようとした人を殴ろうとする場面が、どうしてそういう風な行動をとるのかすごくヒントになった」
・講演会の参加者
「(祖父が)風呂に入らないと言って大変と施設から何度も電話が来て、祖父はもしかしたら、風呂に足を入れる時にヌルヌルが気持ち悪かったのかなとか」
◆予防できる科学的根拠がない認知症
イベントに協力した医師です。
・ファミリークリニックさっぽろ山鼻 松田諭院長
「1人で生きていけないので、周りのサポートがどれだけできるかが大きくかかわる。地域全体で認知症の方々を見ていくのは必要」
・作家の筧祐介さん
「認知症の一番の原因は、予防ができるという科学的エビデンスがほとんどないこと。誰にでもなりうるもので、そして年齢を重ねるとともに、必ず誰もが脳の認知機能が落ちることによって生じる症状なので、誰でも直面する」
・時崎愛悠記者
「今までしっかりしていた身近な人が突然、変なことを言い始め、戸惑いや否定が始まる認知症。知らない世界を知ることで苦しかった日常を変えることができます」